大分都市圏の内と外では

大分県の温泉地図 「大分都市広域圏」「連携協約に調印」「10年後も人口75万人規模維持」。30日の大分合同新聞朝刊を読んでいると、こんな見出しが並んだ記事があった。記事には「大分、別府両市を含む県内8市町は29日、国が進める連携中枢都市圏構想に基づき、広域連携の基本方針や役割分担を定めた連携協約に調印した」とある。そして、記事に8市町の首長が並んだ写真が添えられていた。8市町とはどこだろう。記事を読んでいくと、臼杵市、津久見市の名前はあったが、同じ県南地域の佐伯市の名前はなかった。
 臼杵、津久見以外はどこか。北から日出町、別府市、大分市、由布市、豊後大野市、竹田市とある。県南部で入っていないのは佐伯市だけだった。30日の大分合同新聞を読みながら佐伯市長は複雑な思いだったのではなかろうか。

 大分都市広域圏は大分市と経済的な結びつきの強い自治体で構成される。例えば由布市は大分市への通勤・通学者が5291人で全就業者・通学者(自宅での就業者を除く)の34%に達する。大分市への通勤・通学者が492人と7市町で最も少ない竹田市でも全体に占める割合は5.7%ある。

 佐伯市が入っていないのは竹田市よりも大分市との結びつきが弱いということだろう。だが、県南地域で1市だけ大分都市広域圏の外にいるのは、どうも落ち着かない。

 全国的に見れば東京一極集中だが、九州で見れば福岡一極集中であり、九州各県で見れば県都一極集中である。昨年4月に開業したJR大分駅ビルを核に整備が進む大分市中心部だいたい大分県の人口約116万人で大分市の人口は約47万人。県人口の約40%を占める。これに都市広域圏に加わる7市町を加えると合計で約79万人で、県人口の約7割になる。残り3割の県民が「大分」都市圏外となる。県民を7割と3割に分ける組織をわざわざ設けるのは何のためか。

 それが国の政策であり、財政支援措置があるからだ。総務省、国土交通省と経済産業省が進める「連携中枢都市圏」構想である。人口減少と高齢化が進む中で地域の活力を維持するにはどうするか。いろいろ説明はあるが、要は県都とその周辺への集積を強めて、東京や福岡市への人口流出に少しでも歯止めをかけなさい、ということだろう。

 連携中枢都市圏構想など知らなかった。東京で考えればそうなるのだろうか。県都大分市も願ったりかもしれない。しかし、残されたもの、圏外に置かれたものはどうか。快く思うことはあるまいか。

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