蒲江の波当津で田植えが

 波当津(はとうづ)は佐伯市の南端にあり、宮崎県延岡市と接する。ここで3日朝8時頃から「県内トップで早期水稲の田植えが始まります」。大分県南部振興局農山漁村振興部から「お知らせ」があった。
道路脇に動くものが。よく見ると猿である(クルマの運転席から撮影)波当津と言われてもピンとこない。佐伯市中心部からどれくらいかかるのか。県の担当者に聞くと「高速道路を使うなら1時間も見ていれば十分」と言われた。少し余裕を見て当日は1時間半前の午前6時半に出発した。それが失敗だった。
 市中心部に近い佐伯インターチェンジ(IC)と蒲江IC間の高速道路は昨年3月に開通した。波戸津インターチェンジについての説明版その前の2013(平成25)年、蒲江ICと延岡市の北浦IC間が開通し、その間に波当津ICができた。佐伯-蒲江間の開通で大分、宮崎両県が東九州自動車道でつながった。しかも佐伯-延岡南間は通行料無料だ。素直に高速道路を使っていればよかった。

 クルマは順調に高速道路を走り、7時過ぎには蒲江ICに差し掛かった。ちょっと早く着き過ぎる。どこで乗っても降りても無料だから、蒲江ICで降りてみるかと思った。蒲江ICを出てしばらく行くと道路案内の青い表示板が見えた。

 波当津方面に向かう県道122号線があるという。時間もあるし、この道でもいいかと思って走り始めてまもなく出会ったのが冒頭の写真の猿2匹だった。1匹が岩の上にいて、別の1匹がその下にいるのが、写真で分かるだろうか。

 先行きに不安を覚えた。あちこちに「落石注意」の看板があるし、当たったらクルマがへこみそうな岩が道路上に落ちている。観光案内板があった場所で撮影した海の光景 それも何カ所もある。海沿いの道は初めこそ平たんだったが、徐々に傾斜が増していく。道は狭いし、雨は降るし、横は断崖絶壁のように見える。8時の田植えに間に合うのかと心配にもなってきた。

 しばらく行くと上り坂の道は下りに転じた。人里が近いのではないか。期待しつつクルマを走らせると、波当津漁港に出た。波のまにまに漂う黒いごまのようなものが。堤防には釣り人が並び、波の合間には黒いごまのようなものがあちこちに見える。目を凝らしてみるとサーファーである。近づいてみると波乗りする人たちが。波当津海岸はサーファーの人気スポットだったのだ。高速道路ができたことで来やすくなったのだろう、大分県外ナンバーのクルマも目立った。人が集まるのはいいが、もっと増えてくると集落内の道路の渋滞などの問題も出てくるのではないかと心配にもなった。

 さて、波当津に来た目的である田植えの取材はできたのか。心配には及ばない。無事にできた。波当津地区は早期米(コシヒカリ)だけを生産しており、今年の作付面積は約4haという。雨が降らなかったために代掻き(田植えの前などに田の土をすき起こして、水を入れて土の面を平らにする)ができず、田植えは遅れ気味という。雨の中で始まった波戸津地区の田植えこの日の雨はまさに恵みの雨だった。時間の余裕があるばかりに道を誤って失敗したかと思ったが、結果的には田植え以外にも収穫があった。回り道で良かったか。取材を終えてそう思った。

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