市場めぐり~番外編

 大分県内を北へ北へと急いだ。佐伯市から100km以上あるだろう。日出町の大神魚市場に着いたのは朝の8時半すぎ。1時間前に始まった焼きそばやたこ焼きの屋台も出て賑やかな大神魚市場の朝市「第1回市場感謝祭」の会場には、買える魚は1匹もなかった。完全に出遅れてしまった。それにしても何でこんな遠出をすることになったのか。支局に送られてきた1枚のファクスがきっかけだった。
 送り主は大分県立津久見高校海洋科学校。標題は「海洋科学校生によるマグロの解体実演について」。内容は「大神魚市場で、海洋科学校生が地元で育ちました50~60kgの本マグロを5枚にさばきます」というもの。感謝祭を行う大分県漁業協同組合日出支店から解体ショーの依頼があり、生徒の技術向上のために引き受けたという説明だった。

 臼杵魚市場(臼杵市)の土曜朝市で海洋科学生にはお世話になっている。朝市で買った魚を横の食堂の調理場で、海洋科学生が無料でさばいてくれる。これも何かの縁。解体ショーの見物方々よその市場ものぞいてみようかと思ったのだ。

 ファクスの文章で気になったのが「地元のマグロ」の文字。学校に電話して担当教諭に聞いてみた。大神魚市場の解体ショーに使われたマグロするとマグロを用意するのは漁業の担当者だが、「アクアファームのマグロではないか」との返事だった。アクアファームは水産大手のマルハニチロの子会社。佐伯市上浦の沖合でマグロの養殖を行っているという。

 調べてみると、昨年11月26日付の西日本新聞朝刊にアクアファームの記事があった。「クロマグロ量産 佐伯名乗り 完全養殖開始」といった見出しで、事業内容を紹介する記事があった。恥ずかしながら見落としていた。佐伯はマグロの生産地であったのかと、この時初めて知ることになった。

 それでマグロの解体ショーは見たのか。見るには見たが、それは大分市であった。日出町で収穫なしだったため、日出町から一転南へ。大分市に向かったのだ。大分市の公設地方卸売市場は毎月第2土曜日が「市民感謝デー」である。確か午前9時からだった。すぐに向かえば何か買えるかもしれない。

 大分公設地方卸売市場の市民感謝デーも多くの人で賑わっていた。市場に着くと、ここも多くの人で賑わっていた。人波をかき分けるように中へと進んでいくと。一角に際だって人だかりができている場所があった。のぞき込むとマグロである。何㌔かと聞くと、60kgとの答えが返ってきた。ここもマグロが人気なのだ。大分公設地方卸売市場で解体されたマグロマグロの解体が始まると観客が一段と増えた感じがした。どこのマグロか聞くこともできない。ぼんやり後ろの方で見ていると、段ボールが落ちている。そこに西南水産、上浦の文字が。

 帰って、ネットで調べるとニッスイのグループ企業で西南産業があり、マグロの養殖をしているという。しかも佐伯市上浦に事業所がある。よく見れば住所はアクアファームのすぐそばのようだ。

 佐伯は水産大手2社の養殖マグロの生産拠点になっていたのか。

 マリノフォーラム21という団体のホームページをみると、①水温10度以上で、最低水温が13度を下回らないことが望ましい③水深は30~50mが必要④大きな河川からの流入がない(塩分濃度の変動が少ない)⑤波浪は5m以下(北西の季節風を受けない)-など-マグロ養殖場となるための条件が書かれている。諸条件をクリアする最適な養殖場はそうそうにはないということか。マグロの養殖場はお隣の津久見市にもあると聞いた。大分県南は養殖マグロの大産地となる可能性も秘めているわけだ。


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