「石仏ねっと」ですか?

医療や介護の情報が「石仏カード」に集約されている 在宅医療の充実、医療と介護の連携と言っても、組織や職種の壁を越えて一つにまとまるのは、なかなか難しいだろう。だが、臼杵市ではうまくいっているらしいのだ。

 「臼杵市の『うすき石仏ねっと』が日本経営協会主催の『第8回協働まちづくり表彰』で準グランプリを受賞しました」。臼杵市役所からニュースリリースがあったので話を聞きにいくことにした。

 「石仏ねっと」と言っても「石仏」愛好者の集まりではない。当たり前か。「臼杵市地域医療・介護情報連携システム」の愛称である。

 「『うすき石仏ねっと』は臼杵市内のお医者さん、歯医者さん、薬剤師さん、看護師さん、ケアマネージャーさん、介護士さんなどが協力して市民のみなさんの健康を支えるための仕組みです」

 パンフレットには上記の説明があった。さらに「お薬の重複が避けられ、注意が必要な飲み合わせもチェックされます」「施設を移るたびに同じ検査をする必要がなくなります」などとあった。

 基礎知識がないから、イロハのイから聞きたいと言うと渡されたのが「石仏ねっと」の話を聞きに行ったら「プロジェクトZの軌跡と成果」と題する冊子をいただいた「プロジェクトZの軌跡と成果-在宅医療・介護連携へのトライ」(臼杵市医師会コスモス病院)と書かれた冊子だった。

  Zとはzaitaku(在宅)の略。コスモス病院は2012年に厚生労働省の在宅医療連携拠点事業を受託した全国105施設の一つ。高齢者の暮らしや医療・介護に関わる関係者のネットワークを築き、効率的でニーズにあった医療・介護サービスを提供する。全国で行われた試みの一つだった。

 コスモス病院は翌13年から大分県の支援を受けて3年間プロジェクトを継続。この4年間が「うすき石仏ねっと」を急成長させたのだという。

 冊子には、「石仏ねっと」は13年前に医師会地域医療情報ネットワーク実験、診療所から検査データを閲覧するための仕組みとしてに産声を上げました、とある。それが急成長を始めたのが4年前。プロジェクトZをテコに行政などとの連携が進んだ。

 調剤薬局との連携、介護施設との連携に続き、昨年7月には歯科医院と、12月に居宅介護支援事業所との連携を開始。臼杵消防本部通信指令室では昨年10月から救急車の出動要請を受けた時に薬の服用歴などをチェックできるようになった。

 冊子は「石仏ねっとはついに本当の意味で多職種連携ICT(情報通信技術)として全国に類をみないシステムに発展しました」と高らかに宣言する。

 興味深いのは「石仏ねっと」が大災害への対応も視野に入れていることだ。東日本大震災では被災者の情報が乏しくて困ったとされる「薬剤情報」「災害時要援護者情報」「歯科情報」の三つが「石仏ねっと」では常日頃から共有されているという。

 しかも、ネットワークサーバーは免震化され、万が一の場合にも機能するように備えている。

 どれくらい画期的なのか。正直に言っていまひとつ分からない。だが、市民に浸透してきているのは紛れもない事実だ。石仏ねっとの加入者数は今年3月末で8901人と市民の2割以上を占める。臼杵市は3年後の加入者1万6千人を目標としている。

 「うすき石仏ねっと」についてはこれからも取材の機会があるだろう。さらに勉強していきたい。

 

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