「みかんの学校」開講式

大分県佐伯総合庁舎であった「みかん学校」の開講式 1400haのみかん栽培面積が20年後に90haになった―。聞き間違いかと思った。佐伯市にある大分県佐伯総合庁舎で11日、みかん学校の開講式があった。そこで出てきた数字である。佐伯地域のみかん栽培は急速に先細っていったことになる。

 さて、みかん学校は、これから栽培に取り組みたいと考える人が基礎知識と技術を学ぶ場である。2年前に始まり、今回受講する佐伯市17人と津久見市7人の計24人は3期生となる。来年3月までに9回の講習が予定されている。

 このみかん学校は大規模専業農家を育成しようというものではない。仕事しながらの兼業や小規模でも栽培してみたいという人を対象にしている。もともと佐伯地域のみかん農家は大半が兼業・小規模なのだという。

 だから、若い人もいるが、受講生の中心は60代だそうだ。みかんで生計を立てるといった感じでなく、第二の人生でみかんづくりをたしなむといった感じか。

 みかんの専業としてやっていくのは大変だ。みかんの消費は1980(昭和55)年頃から30年間で3分の1に減ったと農林水産省の資料にあった。家計調査で1人あたりの温州みかん購入数量が1980年の14.5kgから2009(平成21)年には4.5kgになった。需要が減れば価格は低迷する。

 全国的にもみかんの栽培面積は減少している。1985(昭和60)年には温州みかんの栽培面積は11万2500haだった。これに対し、昨年の温州みかんの結果樹面積(栽培面積のうち生産者が果実を収穫するために結実させた面積)は4万2200ha。3分の1近くまでになっている。

 ところで、佐伯地域の栽培面積1400haと90haは1993(平成5)年と2013(平成25)年のものだという。需要が減る中での全国的な厳しい競争の結果とみることもできそうだ。

 こんな厳しい環境の中では、みかん一本に絞って真っ向勝負を挑むよりも、みかんで副収入を得るぐらいの気持ちの方がいいのかもしれない。兼業・小規模農家の育成という佐伯のみかん学校の発想も「あり」かもしれない。

 佐伯のみかん学校以外にも、大分県内には新規就農するための学校がある。トマト学校イチゴの学校、ピーマンは臼杵市豊後大野市、コネギは宇佐市国東市とそれぞれ2校ずつある。ぶどうの学校もある。

 豊後大野市のピーマンの「インキュベーションファーム」のキャッチフレーズは「豊後大野市で農業所得400万円を目指しませんか」である。やれば儲かりますよと言っているように聞こえ、佐伯のみかん学校とは随分と違う雰囲気だなとあらためて思った。

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