マグロの養殖会社見学

見学に来た高校生の前で水揚げされる養殖マグロ 佐伯市にマグロの養殖を行う会社があることは偶然知った(4月9日佐伯支局長日誌「市場めぐり~番外編)。それ以来、一度は見学に行きたいなと思っていた。すると、「渡りに船」のような話が。佐伯市内の高校生が職場体験でマグロの養殖会社を訪ねるという。その取材ということで同市上浦にある西南水産上浦事業所に向かった。

  マグロの養殖場は海岸のそばにある。この日は風が強く、波が立って給餌見学は中止に。 15日は風が強かった。マグロを養殖している「いけす」は海岸の近くにある。職場体験の高校生と一緒に船で行き、エサやりを見学する予定だった。西南水産はニッスイ系、隣にマルハニチロのマグロ養殖会社「アクアファーム」がある西南水産上浦事業所でも見学者の人数分の長靴、救命胴衣、帽子などを用意していた。だが、風は一向に収まる気配はなく、海を見ると波立っている。

 これでは無理と給餌見学は中止になった。残念だが、天候には勝てない。

 まずは会議室でマグロ養殖についての説明を聞き、マグロを水揚げした後の作業場での仕事を見学することになった。

 上浦事業所で出荷するマグロは50~70kg。出荷時期を迎えたマグロをどうやって捕まえるか。マグロを傷つけないように一匹ずつ釣るのだそうだ。ただ、一つのいけすは縦横40m四方で深さ9mある。そこに釣り糸を垂らすだけでは効率が悪そうだ。そこで、撒き餌をする。

 最初は遠くから。だんだんと近くへ。撒き餌でマグロをおびき寄せる。マグロが近づいてきたら、エサのついた釣り針を入れ、かかった瞬間に電気を流して気絶させる。すぐに引き揚げると、内臓を取り、そこに氷を入れて、内側と外側からマグロを冷やす。水揚げするまでの数時間冷やし続けるのだそうだ。

 作業台の上に置かれたマグロさて、水揚げからの作業は見学できた。いけすで内臓は取っているが、まだ血合いなどが残っている。血合いなどの残ったものがあれば、ここで取り除くまずはそうしたものを取り除く作業が行われる。その後、長さや重さを計量する。その際、マグロの腹に何かを突き立てている。「体温計」だそうだ。マグロの鮮度を保つ鍵は温度管理にある。

 まだ15~20度あるマグロの「体温」が2~3度になるまで一晩かけてさらに氷で冷やす。

 そして、一本一本断熱シートでくるんで段ボールに箱詰めされ、空輸される。それぞれのマグロには個体識別番号が付けられている。

 上浦事業所では年間1万~1万2千本が出荷され、その約6割は関東方面だという。

 出荷量に変動があるのは幼魚を捕獲して育てるためだ。ちょうど5~7月はヨコワと呼ばれる幼魚の捕獲時期にあたるそうだ。ヨコワの捕獲数が少なくなれば出荷量も減ってくる。

 ならば安定生産のために卵から完全養殖しようと考えるのも当然だろう。西南水産を傘下に置くニッスイも完全養殖による量産化を図ろうとしている。

 この職場見学は、佐伯市の主力産業の一つである水産業に対する地元高校生の理解を深めようと大分県南部振興局(佐伯市)が企画した。

 22日は西南水産のお隣にあるマルハニチロの子会社で、マグロ養殖のアクアファームを別の高校生グループが見学することになっている。これも見学に行きたいが、別の仕事が入っていた。これもまた残念である。

 

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