新人造船マンの3カ月

4月の入所式と同様、修了式も工場の一角に紅白の幕を張って行われた 誰ひとり脱落することなく修了式を迎えられたことを本人以上に地元の造船業界関係者が喜んでいたかもしれない。佐伯市にある大分地域造船技術センターで24日、約3カ月間の基礎教育を受けた新人33人の研修修了式が行われた。

 4月の入所式のことは佐伯支局長日誌「造船業界は幾度も荒波に」(4月5日付)に書いた。さて、4月の入所式での写真は制服も真新しいこの約3カ月で研修生はどう変わったのだろう。「使用前」「使用後」のようだが、作業服もすっかり身体に馴染んだんだ感じに左と右の写真を比較していただきたい。左の写真では張りがあった作業服も、右の写真ではすっかり身体に馴染んだ雰囲気がある。これが新人造船マンとしての成長の証しともいえる。

 世の中は人手不足である。大分県南地域も例外ではない。佐伯公共職業安定所管内では昨年7月以降、有効求人倍率は1を超えている。つまり、仕事を求める人(求職者)よりも求人件数が多い。仕事を選ばなければ職に就くことはできる。

 今もそうだろうか。「七五三」という言葉が盛んに使われていた頃があった。中学卒業者の7割、高校卒業者の5割、大学卒業者の3割が就職して3年以内に辞めることをいった。

 そんな中、33人は最初の3カ月をまずは乗り切った。本人よりも業界関係者がほっとしているのではないか。

 30年近くも前のバブル経済華やかなりし頃に「3K」という言葉がはやった。「広告費、交際費、交通費」。気前よく使っている企業もあって世の中は浮かれていた。

 いやいや、そちらではない。「きつい、汚い、危険」なイメージが敬遠され、若者がつきたがらなかった仕事があった。

 工場は実務一点張りで、丈夫であればといった感じだそんな時代とは違うが、現場での仕事は危険が伴うし、工場は華やかさとは無縁でもある。そんな中で修了式に出席した来賓が口々に言った「これからも頑張って」の言葉は形ばかりの激励ではなく、本音だろう。地域の基幹産業である造船業を支える一人前の造船マンになってもらいたいとの願いは共通だ。

 どんな仕事だって順風満帆とはいかない。さまざまな経験を積み、ときに失敗をしながらも職場に欠かせない人になっていくことを願っている。

 

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