高速道路で泣き笑い

佐伯市の観光振興をテーマにした地域戦略推進会議 佐伯市地域戦略推進会議が開かれた。どうやったらもっと佐伯市に観光客が来てもらえるか。どうやって佐伯にある観光資源の魅力を発信していくか。中・長期的な観光振興策を考える会議である。大分県や佐伯市、市観光協会のほか、商工会議所、農協や漁協の代表者らが集まった。

 さて、昨年3月の佐伯~蒲江間の開通で大分県内の東九州自動車道がつながった佐伯市の観光戦略は東九州自動車道の北九州~宮崎間の全線開通をにらんで組み立てられてきた。高速道路の延伸をどう生かすか。逆に言えば単なる通過点にならないためにはどうすべきか。

 戦略会議が2012(平成24)年に「味力全開!九州一佐伯 ツーリズム重点戦略」をまとめた。しかし、これは見直しが行われた。そして、昨年2月に2014年に練り直された佐伯市の重点戦略「2014改訂版」が出された。高速道路は伸びてきて通行車両は増えているのに、「道の駅」などの売上高が思ったほど伸びてない。経済波及効果が一部にとどまっている。その反省を踏まえて佐伯市の魅力を高め、その情報をもっと発信しようとなった。

 2015(平成27)年3月に佐伯~蒲江間が開通し、佐伯、延岡両市が無料の高速道路で結ばれる。無料区間のメリットを最大限生かすような試みを考えようというわけだ。

 それから1年。どんな変化が起きたか。良いこともそうではないこともあった。無料の高速道路ができて既存の国道の通行量が減った。佐伯と延岡を結ぶ主要道路は一番海側が東九州自動車道、もう少し内陸側に国道10号、さらに山側に国道326号とある。

 交通量が減った国道326号にかかる唄げんか大橋。その奥に見える建物は「道の駅宇目」昨年10月の交通量調査では国道326号は前年に比べ2割以上減少。その沿線の「道の駅宇目」はお客が大きく減った。右の写真の唄げんか大橋が完成したのは1993(平成5)年。これによって道路事情が改善され、宇目地域を訪れる観光客が急増した。道路整備が追い風になることもあれば、今回の東九州道のように向かい風になることもある。

 道の駅かまえも逆風を受けている組の一つといえる「道の駅かまえ」にも逆風だろう。東九州道の佐伯~蒲江間が開通する前までは順調に売上高を伸ばしていた。宮崎から大分に高速道路を使って行く場合、蒲江インターチェンジ(IC)でいったん降りなければならなかった。そして、佐伯ICに向かうわけで、その途中にある道の駅かまえは絶好の休憩場ともいえた。しかし、その地の利は佐伯~蒲江間の開通で失われることになった。

 「ついでに寄ろうか」といった客が減ってしまったのなら「そこに行きたい」と思うお客を増やすしかない。難しいことだが、ここが正念場である。

 さて、朗報として紹介されたものの一つに郷土料理・グルメがある。「伊勢えび海道」「寿司海道」「丼街道」「ごまだし食べ歩き」で、佐伯市が4大キャンペーンと銘打って大いにPRしている。例えば丼街道に加盟した市内の飲食店がそれぞれ特色のある丼を提供する。

 4大キャンペーンは大分、宮崎など東九州自動車道沿線のほか、中国、四国、関西でPRした結果、どれも昨年の総食数は前年の実績を上回った。特に丼は前年の2倍以上の食数を売り上げたという。

 戦略会議では29の戦略プログラムの取り組み状況が説明された。「スポーツツーリズム」「エコツーリズム」「食」「産業観光」。さまざまな地域資源を観光に生かせないか。佐伯だけでなく、全国各地で頭を悩ませ、試行錯誤している人々がいる。

 そこで成功するか否かの鍵は何だろう。危機感か発想力か実行力か。それを合わせ持つようなキーパーソンの存在か。少なくとも関係者全員が危機感を共有できなければ思い切ったことはできないのではないか。

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