臼杵蓮まつりと蓮料理

ハスの葉に置かれた「くず豆腐のレンコンすり流し」は人気の定番だとか 「蓮料理の試食会」。電話でそう聞こえた。「午前11時半から12時の間に臼杵に来られますか?」。臼杵市観光情報協会からの連絡が携帯電話に入ったのは午前9時44分。その時は6年前にセメント生産を停止した佐伯市内の工場にいた。どうしても外せない用事があるわけでもない。「12時前には」と答えて電話を切った。

  国宝臼杵石仏の周辺で7月10日から始まる「第4回石仏の里 蓮まつり」については6月15日付の佐伯支局長日誌「農家民泊~おまつりカレンダー②」で紹介した。ハス畑は古園石仏から見下ろす場所にある

 ハス畑の中には大きな説明板がある。「平成12(2000)年、市内有数の蓮研究家である西水英二さんから『八重茶碗蓮(やえちゃわんはす)』の苗を譲り受け、ボランティアグループが深田区婦人部の協力で、ハス畑を開設した」などと書いてあった。

 この蓮まつりに合わせて期間限定(7月1日から8月25日まで)で蓮料理を提供しているのが、臼杵石仏のそばでレストランと土産物販売をしている「石仏観光センター」。レストラン「郷膳うさ味」で蓮料理を出すようになって12年になるそうだ。

今年の目玉料理が手前の石灰鉱泉蒸し 代表の宇佐美裕之さんから今年の蓮料理について説明を受けた。今回の目玉となる料理が手前の「石灰鉱泉焼き」。石灰石はお隣の津久見市に豊富にある。その生石灰に臼杵市内の六ケ迫(ろっかさこ)鉱泉を注ぐと石灰が発熱する。それを使って野菜などを蒸し焼きする。

 別府の地獄蒸しにヒントを得て考案した。六ケ迫鉱泉も塩化物を含んでおり、ほんのりと塩味がつくだろうと鉱泉を使うことにした。

漁火うどん、夏野菜のテリーヌなども並べてもらった 料理はこのほか、赤大根とキュウリの串揚げなど揚げ物三種、漁火うどん、ニガウリのシャーベット、夏野菜のテリーヌ、蓮飯などがあり、最後は杏仁豆腐と花茶になっている。

 写真を撮るために一度に全部並べてもらおうと思ったが、それはできなかった。ちなみに値段は消費税込みで3240円。要予約で、電話は「郷膳うさ味」0972(65)3333。

 宇佐美さんの名刺に「創業90年」とある。石仏観光センターの長い歴史を見るのに適当な記事を探すと、幾つかあった。2006(平成18)年5月19日付の西日本新聞夕刊。「謎秘める石仏を語り継ぐ」などとあった。

 「石仏群を世に知らしめた京都帝国大学(現京都大)の小川琢治教授を祖父が案内して以来、三代にわたり人々の参拝を案内してきた宇佐美明さん(61歳)」を記者が訪ねて、いろいろと話を聞いたことをまとめた記事だ。

 明さんの祖父の辰治さんが小川教授と出会い、石仏の調査を手伝ったりした。小川教授の勧めで近くに茶店を開き、辰治さんは「石仏の語り部」となった。明さんの長男で現代表の裕之さんも記事に登場する。

 「裕之さん(29歳)は現在、観光センターで見習い中だ。郷土料理の腕を磨き、大学で学んだ陶芸にも情熱を注ぐ。七、八月には石仏周辺を彩るハスの花にちなみ、ハスの創作料理を出す」とあった。

 記事の通り、裕之さんは料理とともに「現代版」臼杵焼の復興に取り組む。名刺の石仏観光センター代表の裏側は「臼杵焼プロジェクト代表」の肩書が印刷されていた。

 話を聞くうちに時間がなくなり、蓮料理を賞味することはできなかった。期間中にあらためて食べに行く機会もあるだろう。

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