共同通信の実習生調査

 共同通信社が全国47都道府県と1741の市区町村の首長宛てに送付した外国人技能実習生に関するアンケートの結果が、大分合同新聞の24日付朝刊で大きく扱われていた。朝刊一面トップに本記、二面に調査結果の分析、三面に現場からの報告という構成になっていた。

 調査結果によると、外国人の受け入れ拡大を求める市区町村の割合が最も高いのは香川県で、次いで大分県の58%(7市町村)だった。

 合同新聞が調査結果をニュースとして大きく取り上げたのは、これが大きな要因だろう。ただ、「あれも影響したのかな?」と、24日付の朝刊を読んだ時に思い出したものがあった。

大分労働局などが実施した現場パトロールに同行した際に撮影した写真(6月21日) 大分県内に「技能実習」の在留資格の外国人労働者が増えていることは、6月21日の佐伯支局長日誌「地方も欠かせぬ外国人」で紹介した。昨年10月末の時点で1872人、前年同期比318人増、20.5%の伸びを見せた。ちなみに福岡県は3830人で同843人増、28.2%と大分県を上回る伸びを見せている。

 上の写真は、6月の外国人労働者問題啓発月間に合わせて、大分労働局などが佐伯市内の企業で実施した現場パトロールに同行した際のもの)

 技能実習生が働く現場を垣間見たこともあり、関係しそうな記事に自然と目が向くようになった。

 そんな時に目にとまったのが7月10日付の大分合同新聞朝刊の「私の紙面批評」だった。見出しは「外国人実習生の課題捉えて」。筆者は佐伯市米水津の高橋水産代表取締役の高橋治人さんだった。

 「米水津、新鮮干物まち」と書かれた米水津水産加工協同組合のリーフレットには、高橋水産はマアジやマサバ、カマスなどの各種開きを生産とある。

 紙面批評で高橋さんは「外国人技能実習生として働いている若者が各地にたくさんいる。(観光客や留学生だけでなく)その若者の姿にも目を向け(新聞で)紹介してほしい」と要望した。

 「そこには急激に進む少子高齢化が、地方を支える地場産業の労働力不足に拍車をかけている現実がある」と指摘。ただ「(現行)制度を継続するには労使双方に課題が多い。受給の可能性がない雇用保険や厚生年金への加入が義務づけられているなど、早急な改善、解決が望まれている」と続けた。

 紙面批評の最後に、各地で直面している現状や課題をいち早く捉えて報道してほしいと締めくくっていた。

 米水津の水産加工業でも外国人技能実習生が貴重な戦力となっているのだろう。

 共同通信の分析でも「外国人の受け入れ拡大が必要とする市区町村の割合は、大都市圏と比べ人口が減少している地方圏が高い」とあり、合同新聞は「地方 外国人頼り」と見出しを取っている。

 若者が集まる大都市と違い、どちらかといえば若者が出て行く地方中小都市の中小企業となれば、域外から人材を得るのはかなり難しかろう。今後も外国人技能実習生の重要性が高まりこそすれ、将来的に不要になるということは考えづらい。

 高橋さんが言うようにこれは地方紙が取り上げるべき課題である。地方自治体も移住・定住、婚活・妊活による人口増加策には熱心だが、外国人技能実習生問題を真正面から捉えるのを避けているような印象がある。これまでの意識や姿勢を改めるのに合同新聞の記事は一つのきっかけになる。

 

 

 

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