12人のイランショワさん

 「イランショワさん」。覚えておられるだろうか。6月9日の佐伯支局長日誌「婚活、妊活、移住に定住」で紹介した。「臼杵市結婚支援員」である。イランショワとは大分弁で「余計なお世話」の意味。お節介と言われても若者の婚活に一肌脱いでくれる人を臼杵市が募集していた。そのイランショワさんの初代となる12人が決まり、先週、臼杵市役所で登録証交付式があった。

イランショワさんが集まって最初の打ち合わせが行われた 交付式の後、イランショワさんの顔合わせがあり、自己紹介、事務局である市役所協働まちづくり推進課との打ち合わせや意見交換が行われた。

余計なことだが、この会合で初めて「独身証明書」というものがあることを知った。本籍地の市町村で発行しており、郵送による申請もでき、手数料は臼杵市で350円だそうだ。

 イランショワさんの役割は、結婚を望む独身男女の出会いから交際、結婚に至るまでを支援すること。大前提は「独身」だから独身証明書による確認は大事な作業になる。ただし、イランショワさんが本人を良く知っており、独身であることが明らかな場合は除くそうだ。

 初代イランショワさんは男性2人、女性10人で任期は2018(平成30)年3月末まで。女性が圧倒的に多いのは地域や職場での人脈、情報網が男性に比べ広いということか。男性に比べて世話好きが多いということか。

 自己紹介を聞いていると、女性の中には職場や地域でこれまでも親から相談を受けたり、独身の本人から話があったりして「結婚支援」の経験が豊富な人もいる。

 ただ、イランショワさん(臼杵市結婚支援員)は市がお墨付きを与えた「公的仕事」だから、事務方としては、言わずもがなの注意事項を説明する必要 がある。

 そんなわけで、個人情報の取り扱いに注意し、結婚支援員として知り得た情報をそれ以外の活動に使わないこと、相談者に対して金品などの報酬を要求しないこと―などイロハのイのような説明も受けることに。

 イランショワさんからも事務局に質問、要望があった。その一つが成婚報奨金の是非。婚姻者が結婚後、臼杵市に住所を有していることなどを条件に1組につき5万円の報奨金が支払われる仕組みになっている。

 これについてボランティアだから必要ないのではとの意見があった。

 さて、イランショワさん達はどれぐらいの成果を生み出せるだろうか。初代の12人のネットワークができ、それを核に情報網が広がっていけば独身男女の出会いの場も増え、結婚につながっていくことになるだろうか。

 初回の顔合わせを見ただけでは何とも言えない。

 婚活支援体制を整えた臼杵市は秋以降、婚活イベントを複数回開催し、積極的に出会いの場を設けることにしている。イランショワさん達の活躍の舞台ともなる。

 若者たち、あるいはもう少し年齢を重ねた独身の人たちはなぜ結婚しないのだろうか。収入が少ないとか不安定だからか。出会いの場がないからか。独身者本人よりも親の方が焦っているのだそうだ。

 「臼杵市役所職員も独身者が多いね」。イランショワさんからはこんな声も出た。市職員なら経済的に不安定ということもあるまい。「結婚しない理由」は単純なものではないということか。イランショワさんの活動を通じて、その深層に踏み込んで行ければ面白い。

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