三者三様の進水式

6万トンの貨物船は圧倒的な迫力がある 佐伯重工業の進水式に行ってみた。船の大きさが違えば式のやり方も変わってくる。今月は23日に臼杵造船所(臼杵市)、12日は三浦造船所(佐伯市)の進水式も見学した。その様子はまさに三者三様である。

 佐伯重工の構内は広い。3社の中では一番大きな船を造っている。この日、進水式を迎えたのはリベリア船籍のばら積み貨物船(バルク・キャリアー)で積載重量は6万トン。船の大きさは全長199.9mで、幅32.26m、深さ18.6mともらった資料に書いてある。

 岸壁までくると、浸水する大型船の船尾にロープがかかっていた。 構内をさらに進んで岸壁まで来ると、船尾にロープが見えた。このロープの先をたどっていくと、進水が近づくにつれてロープの張りが強くなっていった海に浮かぶ一隻の船が見えた。「これで引っ張るんですか?」。周囲にはヘルメットに作業服姿の人も多い。その1人に聞くと、そうだと言うように頷いた。

 船主などの関係者は船の反対側におり、式典の様子は分からない。時折「命名」などの言葉がスピーカーから聞こえ、式がつつがなく進行していることが分かる。そして、いよいよ進水の時を迎えた。「支綱切断」の声がいつかかったのか。それは聞き取れなかった。大型船は目の前をゆっくりと通り過ぎていった しばらくすると、船はしずしずと動きだし、海へと滑り出ていった。

 これを海の上から見たらどうだろう。迫力満点ではないか。そこで佐伯市観光協会が企画しているのが進水式見学ツアーである。

 佐伯市観光協会が企画した進水式見学ツアーの参加者を乗せた船が少し離れた場所に見えたこの日も少し離れたところに見学の船があった。写真の手前に写っているのは先ほど紹介した進水する大型船を引っ張るためのロープである。

 進水式を新たな観光資源に、産業観光の目玉に―。観光協会がツアーを始めたのは、そんな発想からだ。そして、最近「佐伯 進水式を推進する会」ができたらしい。

 進水式を推進する会の名前が書かれたものがあった。12日の三浦造船所の進水式に行ったときのこと。構内で赤い字で大きく「船」とかかれたのれんのようなものを見た。すると、大分合同新聞の26日付朝刊に「進水式を観光資源に」「市民有志がプロジェクト」との見出しで、この進水式を推進する会が最近結成されたと紹介されていた。

 三浦造船所の進水式はアットホームな雰囲気が特徴だ三浦造船所の進水式の特徴は船も船主も見学者もすべてがひとところに集まっているところにある。その分、アットホームな雰囲気がある。12日の進水式もそんな感じを受けた。

 臼杵造船所の構内は細長い印象を受けた。だから見学者が入れるスペースが広くない。船主など関係者席の下に見学者が入れるスペースがあり、一緒に進水の時を迎えることができるただ、船主など関係者がいる会場はすぐ前にあり、式の進行状況が分かる。

 23日はケミカルタンカーの進水式だった。船の全長は127.20m、幅20.40m、高さ11.30mで、積載重量は12500トンとある。動ける範囲が限られているので船の一部しか写せなかった佐伯重工の大型貨物船よりも一回り小さい感じだが。持参のカメラでは捕らえきれない。23日の進水式ではモチまきがあり、受付では記念のタオルが配られ、子どもたちにはお菓子が用意された。ちょっと得した気分になった。

 進水式はどこでも見られるわけではない。その意味では珍しくて見学者も集められる。ただ、観光資源として活用するとなると、さらなる工夫が要るだろう。ただ、三者三様で、違った規模や雰囲気の進水式があることはPRするときの強みになるのではないだろうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です