重なった「APU」の文字

 「APU学生を対象とする『佐伯観光体験ツアー』の実施について」「英語de臼杵っこガイド~APUの学生さんとの学習交流会」。2枚のFAXが同じ日に支局に送られてきた。APUとは別府市にある「立命館アジア太平洋大学」のことだ。夏休みに入ったし、APUの留学生にはあちこちから声がかかっているのかもしれない。気になったので、ちょっと聞いてみることにした。

 ツアーの目玉は藤河内渓谷でのキャニオニング体験まずはFAXの送信元に電話をかけた。最初は佐伯市観光課である。APUの留学生を対象とした体験ツアーは今年2月に次いで2回目という。前回はフグを食べる日帰りツアーだったが、今回は1泊2日で農家民泊(ホームステイ)が入る。

 ツアーの目玉は藤河内渓谷でのキャニオニング体験。滝壺に飛び込んだり、沢を滑りおりたり、岩を登ったり、いわば「大人の川遊び」らしい。参加した留学生にはその体験などをFacebookなどで家族や友人に情報発信してもらう。

 定員30人に対し、応募が殺到したようだ。佐伯市としては留学生による情報発信によって外国人観光客増につながることを期待している。

 APUによると、留学生による発信を条件とした観光体験ツアーの申し出は他にもあるようだ。ただ、学生を単に情報発信の手段、観光客誘致の道具に使うようなことなら断っていると言う。あくまで地域交流、国際交流の一環として位置づけられていることが必要だということだそうだ。

 「観光立国」の合い言葉の下、どこの自治体も外国人観光客の誘致に躍起になっている。留学生を使って、すぐに効果を挙げようなどと考えたとしたら、いささか焦りすぎではないか。

 さて、もう一方の発信元の臼杵市教育委員会にも電話してみた。こちらは臼杵市野津で農家民泊をするAPUの学生(40人くらいだそうだ)を相手にして、国宝臼杵石仏の英語ガイドを地元の中高生が務める初の試みである。

 8年前に始まった「臼杵っこガイド」臼杵っこガイド」は小中学生が対象のようだ。臼杵市の資料を見ると、小学校5年生全員に配布している「臼杵の歴史発見(ルート18)」を使って「臼杵っこ検定」「臼杵っこガイド活動」を推進しているとある。検定試験を受けて、優秀な成績の子どもたちがガイドになれる仕組みだ。

 これまではもちろん日本語でのガイドだけだった。今回は中高生が英語でのガイドに挑戦する。この企画を立てて実現に動いたのは市や市教委ではなく、ガイドを務める高校生の1人だそうだ。行動力がある。

 臼杵っこガイドは年4回行われる。1回目は4月、2回目は8月27日の臼杵石仏火まつりが舞台となる。そこで英語の観光ガイドをしようと高校生たちは準備を進めてきた。そういえば、日本語と英語で書かれた「うすきっこガイド」というチラシをもらっていた。チラシには当日浴衣で案内しますなどと英語のPRがあった。

 APUに聞くと、この時期、他にも地域交流があるそうだ。一つは姫島村。8月1日から5日まで島で夏休み英語チューターが行われる。島の中学生35人がAPUの留学生4人と英語を学ぶ。留学生はその間、島に滞在し、盆踊りの練習を見学したり、幼稚園児などとも交流したりもするそうだ。数年前から実施しているという。

 8月8、9日にはAPUの留学生2人が佐伯市弥生の弥生児童館などを訪れ、子どもたちと交流する。

 APUは大分県と県内の全市町村と友好交流協定を結んでいる。だから、夏休みのこの時期は各地で盛んに交流活動が行われているのではないか。そう予想して聞いてみたが、事前に考えていたほどではなかった。むしろ夏休みの方が少ないのかもしれない。

 たまたま2枚のFAXに「APU」の文字が重なったことから興味が生まれた。聞いてみれば、また面白い話もある。

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です