作品が認められる喜び

  あふれる笑顔は意外だった。何のことか。このあと追々と説明していきたい。

 佐伯市教育市民ホールで開かれた公募戯曲表彰式佐伯市教育委員会が来年1月に予定する佐伯市こどもミュージカル第3回公演の戯曲を公募していた。応募12作品の中から1作品が選ばれ、19日に作者を招いて表彰式が行われた。作品は「ちょまとネコ会議」。作者は「まいうちこ」。川崎市在住の田北豊明さんと妻由起子さんが共同作業でつくった。表彰状と賞金10万円の授与などに続き、最後に子どもたちの代表が作者に花束を贈った。

 その時だ。カメラを通して見る田北さんの嬉しそうな顔が印象的だった。というのも一緒に取材していた他紙の記者から田北さんはプロの脚本家、放送作家だと聞いたからだ。その記者がインターネットで調べたら、いろんなテレビ番組などの実績が書かれていたそうだ。

 佐伯市こどもミュージカルの台本に決まったことなどは小さなことで、もっと淡々としているのではないかと想像していた。だが、どんな小さな賞であっても作品として認められれば嬉しい。そんな作り手としての素直な喜びがわき出てきたということだろうか。

 それとも夫婦でつくった作品として認められたことが嬉しかったのだろうか。田北さん夫妻は以前、沖縄県読谷村のこどもミュージカルの脚本公募で作品が選ばれたことがある。ただ、その時は「田北豊明」の名前で応募したという。今回はきちんと夫婦のペンネーム「まいうちこ」で応募し、二人で受賞できたことの喜びか。

 田北さん夫妻の胸の内を推し量るのはこれぐらいにしておこう。佐伯市教委によると、市が予算を組んでこどもミュージカルを開催するのは珍しいのだそうだ。

 小学生から高校生までの出演者も初回が33人、2回目61人、来年1月の第3回が78人の予定とどんどん増えている。それは行政が熱心であるというより、行政にいる一人の職員が熱心だからということのようだ。

 3回目の公演の戯曲は公募したが、その前はどうしたか。佐伯市教委社会教育課生涯学習推進係の野々下留美さんが2回とも脚本を書いた。野々下さんは「佐伯子ども劇場」に関わって35年、市職員としての経歴よりも長いらしい。この人が希望して生涯学習推進係となって、市を中心としたこどもミュージカルを手がけたそうだ。

 熱意も人脈もノウハウもある人がいるとなれば、佐伯市こどもミュージカルが年を追って盛んになるのも当然と思える。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です