厳しい3セクの経営実態

 佐伯市議会の9月定例会が始まった。会期の決定や一般会計補正予算案などの議案の上程、市長による市政諸般の報告と議案の提案理由の説明が行われた。引き続き、市と民間で共同出資する企業などの2015(平成27)年度決算が報告された。

 「第三セクター」という言葉も最近はめったに聞かなくなった。国や地方自治体が行う事業(第一セクター)、民間企業が行う事業(第二セクター)に対し、官民共同出資の事業が第三セクター(略称3セク)。一時は雨後の竹の子のように全国で次々に生まれた。そして、多くが経営に行き詰まった。佐伯市の官民共同出資企業(3セク)なども経営実態はお世辞にも良いとはいえない。

 この日、決算報告があったのは「株式会社まちづくり佐伯」「株式会社道の駅やよい」「株式会社うめ」「株式会社かまえ町総合物産サービス」「有限会社きらり」「公益財団法人さいき農林公社」など。

 かつて繁盛した商店街がシャッター通りに。佐伯市でも中心部の空洞化が進むまちづくり佐伯はシャッター通りと化した中心市街地の活性化を図るために2009(平成21)年9月に設立された。資本金1550万円で市の出資比率は45.2%。15年度決算は売上高約6599万円に対し、売上原価約3251万円、販売費及び一般管理費約3588万円。二つの経費を合わせると約6839万円になり、約240万円の営業損失となった。

 雑収入などがあり、最終的には黒字になった。ならば問題ないかというと、そうではない。議会では、どうやって利益が出せる会社にするのか、筆頭株主として将来展望をどう描いているのか、などの質問が出た。

 実質的にはまちづくりセンター運営事業など市の委託事業、補助金頼みとの指摘に続いて、野外劇場に向こうに見える白い建物がアンテナショップの城下堂。上の写真の商店街とは少し離れているまちづくり佐伯が運営するアンテナショップ「さいき本舗城下堂」についても質問が相次いだ。多少赤字が出ても、それを大きく上回る経済効果を生み出しているとなれば3セクで続ける意味もある。ただ、議会でのやりとりではそこははっきりしなかった。

 議会が指摘するようにきちんと事業の検証をして、明快な将来展望も示すことが急がれる。

 株式会社道の駅やよいの次にある「株式会社うめ」は道の駅宇目を、「株式会社かまえ町総合物産サービス」は道の駅かまえをそれぞれ運営している。「やよい」「宇目」「かまえ」の三つの道の駅については6月29日付佐伯支局長日誌「高速道路で泣き笑い」でも書いた。

 昨春、佐伯市と宮崎県延岡市間の東九州自動車道で残っていた佐伯~蒲江間が開通し、両市が高速道路でつながった。国道10号沿いの道の駅やよいは全通効果で入場客が増えたという。だが、道の駅宇目、道の駅かまえには逆風となった。

 決算では道の駅やよいは3年ぶりに当期利益約906万円の黒字を確保した。営業利益は約712万円だった。

 道の駅やよいには、地元農産物の直売所やレストラン、川や湖の魚などを展示した「番匠おさかな館」(今はカメの特別展示「もしかめ!」を開催中)、それに温浴施設「やよいの湯」がある。

 このうち温浴施設で使う燃料費が原油価格の低下で580万円ほど軽減されたことが大きい。これに人件費の削減などの経費節減を加えて黒字が確保できた。

 厳しい状況ではあるが、改善の兆しがあるだけましともいえる。さらに道の駅かまえも逆風を受けている組の一人といえる厳しいのは道の駅宇目と道の駅かまえである。株式会社うめの営業損失は約921万円だった。かまえ町総合物産サービスは約1175万円となった。どちらも当面、業績の急回復は期待できそうもない。

 さいき農林公社の農産物直売所は2002(平成14)年をピークに減少傾向が続いているという。

 議会では、思い切って三つの道の駅と農林公社の直売所を一つに統合、再編をしてはどうかとの質問があった。これに対し、市からはそれぞれの個性を生かした形で立て直しを図りたいとの答弁がなされた。

 これ以上の質疑はなかった。1市5町3村が合併して現在の佐伯市ができた。やよいは旧弥生町、宇目は旧宇目町に、かまえは旧蒲江町にある。広域合併して一つになったとはいえ、旧市町村の境を越えての再編には抵抗が大きいということだろうか。それぞれ単独で再建できればいいが、それが難しいとなれば新たな手段を講じる必要がある。その見極めをいつ、誰がするのだろう。

 

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