覆水は盆に返るか?

 中心市街地の空洞化。かつて賑わいを見せた商店街がシャッター通りと化す。佐伯市も例外ではない。

施設配置図などを基に地元説明会が行われた 寂しくなった中心部に昔のような活気を取り戻したい。そんな願いを込めて佐伯市で今進められているのが大手前地区の再開発計画である。8月31日夜、市担当職員などによる地元住民への説明会が行われた。

  今は基本設計の段階である。地元説明会では施設配置図(素案)、大手前まちづくり交流館(仮称)の基本設計計画案(素案)などが示された。説明会が行われた三余館は再開発予定地と道を挟んで反対側にある。説明会場の三余館の少し先に櫓門が見える三余館の先には豊後佐伯城址(城山)の櫓(やぐら)門が見える。写真奥に見える佐伯文化会館は、800人収容の大ホールを備えた大手前まちづくり交流館の完成とともに閉館となる。

 まちづくり交流館には他にどんな施設ができるのか。大ホールと小ホールのほかに「食育活動室」「市民協働センター」「子育て支援室」「スタジオ・会議室」「図書・情報」とある。

 食育活動室には「まちなかキッチンスタジオ」があり、子育て支援室では子育て相談や子どもの一時預かりも行うという。協働センターは市民団体などのミーティングや団体間の情報交換などが行われることを想定。スタジオは音楽やダンスなどの文化芸術活動の拠点となり、図書・情報では食育・子育て情報誌を置いたり、市民活動の情報発信などを行うという。

 説明会場の後ろには施設模型があった説明会場の後ろには模型があった。手前の灰色の建物が説明会場の三余館のようだ。道を挟んで右側の空き地のような場所は「大手前野外劇場」。左側の手前には新たに大手前広場(仮称)が整備される。広場の先の3階建ての建物がまちづくり交流館で、道を挟んで向かい合うのが新たにできる商業施設棟、その横はバスの発着場と33台収容の駐車場になっている。

 一通りの説明が終わると幾つか質問が出た。一つは駐車場。収容台数が少なすぎないかとの懸念である。さらに、類似した施設が周辺にあるが、これとどう棲み分けるのかとの質問も出た。

 説明会会場となった三余館にはホールや実習室、多目的室、会議室などがある。少し離れるが市庁舎前の市保健福祉総合センター「和楽」にも定員298人のホール(大規模研修室)や会議室がある。

 駐車場も周辺施設との棲み分けも質問に対して、具体的で明快な説明はなかった。

 広い地域から人を集めようというのなら駐車場は重要な要素である。JR九州がJR大分駅ビル建設で重視したのが駐車場だった。大分市も郊外へと住宅地が広がり、広い駐車場を備えた大規模ショッピングセンターが次々とできて、市内中心部の商店街は活気を失っていった。それが昨年4月にJR大分駅ビルがオープンした効果で、少し息を吹き返しつつあるようにみえる。

 その大分駅にはどのくらい駐車場があるのか。JR九州大分支社のホームページでチェックしてみた。南平面駐車場127台、JRおおいたシティ第2駐車場860台、JRおおいたシティ第1駐車場900台、JRおおいたシティ第3駐車場220台、JRおおいたシティ第4駐車場65台、上野の森口16台、駅東164台、周辺74台とあった。

 合計すると2462台となった。巨大な駐車スペースが大分市中心部に整備されていた。「鉄道会社だから」といった従来の観念にとらわれず、クルマ社会を前提として大分駅の再開発事業を進めた。その結果が1年目の目標を大幅に上回る集客につながった。

 駐車場問題は極めて重要である。さらに街全体の再生を図るためには再開発の連鎖が起きることも必要だろう。大分市中心部でいえばJR大分駅に続く第2、第3のプロジェクトが出てくれば、郊外へと向かっていた人の流れを本格的に反転させられる可能性も高まる。

 佐伯市の場合はどうか。大手前地区再開発事業の後はあるのだろうか。再開発地の周辺地域にはどんな将来ビジョンがあるのだろう。二の矢、三の矢がないと、中心市街地の賑わいも一時的で終わってしまう恐れもある。

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