サルパトロール隊出動

津久見市長と懇談するサルパトロール隊員 迷彩服に身を包んだ面々は本年度の津久見市鳥獣被害対策実施隊(通称サルパトロール隊)のメンバーである。1班3人で合計9人。平均年齢70.77歳だそうだ。12日に市役所で川野幸男市長から委嘱状を交付され、15日には出発式があった。市長との懇談は面白かった。「シカとサルは行動を共にしている」「シカが多いところはイノシシが嫌がり、結果、イノシシが山奥から人家近くまで来ている」。そういうことか。知らなかった。

 サルパトロール隊は1日1班が出動。その活動は来年3月30日まで続く。隊員9人は90人ほどの津久見市猟友会会員の中から委嘱されるのだそうだ。サルパトロールと呼ぶのは、市から「特にサルの捕獲及び追い払い活動を最優先とする」ことを求められているから。

 ただし「実施隊隊長からサル以外の捕獲対象鳥獣の緊急駆除(人命に危険がある場合)や重点駆除(農作物に甚大な被害がある場合)の指示があった場合は、その業務を優先する」とある。そこは臨機応変に、ということだろう。

 大分県が6月に開いた鳥獣被害対策会議の資料ところで、大分県内の鳥獣被害の現状はどうなっているのか。6月に開かれた県鳥獣被害対策本部会議の資料があった。それによると、2015(平成27)年度の鳥獣被害金額は2億6700万円で前年度比700万円減少し、過去15年間で最も少なかった。捕獲頭数が増えていることが被害金額が減った一つの理由といえるだろう。

 イノシシの捕獲頭数の推移15年度のイノシシの捕獲頭数は過去最高の3万2847頭を記録した。ところでイノシシとシカの捕獲で重要な月が3月と9月だそうだ。3月はイノシシとシカの妊娠時期。9月は稲刈り前の一斉駆除が行われる。今年の予定を見ると、イノシシなどの県内一斉駆除が9月18日と25日。シカは福岡、熊本、宮崎、鹿児島4県と合同で9月11日、18日、25日と九州広域一斉駆除を行う予定である。

シカの捕獲頭数の推移 農作物や人間に被害を及ぼすとすれば捕獲によって生息数を抑制することはやむを得ない。ただ、問題は捕獲したイノシシやシカが十分に活用されていないことだ。大分県は県産ジビエの販路拡大を掲げ、狩猟肉等利活用プロジェクトチームの設置と協議などを行うという。

 津久見市長との懇談でサルパトロール隊員が要望したのも、シカなどの肉の有効利用をもっと進めてもらうことだった。

 サルの捕獲頭数の推移ちなみに佐伯、津久見、臼杵各市の捕獲頭数はどれくらいか。2015(平成27)年度のデータをもらった。それによると、佐伯市はイノシシが2299頭、シカ6445頭、サル122匹だった。津久見市がイノシシ220頭、シカ1059頭、サル24匹で、臼杵市はイノシシ1123頭、シカ2304頭、サル33匹だった。

 佐伯市は1市5町3村が合併した九州一面積の広い都市だから捕獲頭数が多いのも頷ける。

 県鳥獣被害対策本部会議の資料に捕獲頭数が多いことについての一つの説明があった。資料には「佐伯市は平成22(2010)年5月31日より、猟師の間において慣例的に決まっていた『縄張り』を廃止し、どの駆除班がどの場所でも駆除できる『駆除範囲の佐伯市一円化』を実施した」とある。

 結果、どうなったか。「鳥獣被害の激甚な地域に、獲物を求めて猟師が集まることにより、被害の多い地域での捕獲が進み、被害も減少するという良い効果が見られるようになった」という。

 本年度の大分県の方針は「イノシシは予防、シカは捕獲を重点的に実施」「サルによる農林業・人的被害への対応強化」とある。イノシシも学んで罠にかかりにくくなったなどの指摘があるそうだ。きちんとした防護策を設置してイノシシから農作物をがっちりとガードした方がいいということか。

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