見慣れぬ稲穂があった

 弥生の田んぼに見慣れぬ稲穂があった国道10号を南へ。宇目を目指した。宇目に着くと、県道53号から県道35号を乗り継いで本匠、弥生経由で佐伯市中心部に戻った。本匠では幾筋も滝のように山から水が流れ下っている光景が見られた。土砂が道路に流れ込んだ跡もある。山間部にも台風16号による大雨の影響が残っている。

 臼杵市で撮影した稲穂はいわゆる黄金色だった本匠から弥生へ。道が平たんになった。そこで見慣れぬ稲穂を見た。明らかに案山子(かかし)とともに臼杵市で撮影した稲穂とは違う。

 飼料用米だろうか。普通の稲穂に比べて長いようだし、稲の背も高い感じがする。そんな稲穂がよく見るとあちこちにあった。

 大分県のホームページを開いて「飼料用米」と打ち込み、検索してみた。すると「大分県水田フル活用ビジョン」が見つかった。

 そこに作物別の取り組み方針がある。

 米は主食用と非主食用に分けられる。主食用は「競争力のある売れる米づくりを進めるために、高品質・良食味・安全・安心な商品づくりを基本とし、実需者ニーズに即した産地づくりを行う」などと書いてある。

 「たまごのおこめ」は有名な米のようだ臼杵市で案山子とともに写真に収めた田んぼには知る人ぞ知る米が育っているらしい。何気なく撮った写真に「JA大分のぞみ」「たまごのおこめ」「栽培圃場」と書かれた立て札があった。

 地域特産米で、完熟有機質たい肥に卵の殻をまぜた肥料を使って栽培しているという。臼杵市のふるさと納税の返礼品の一つだそうだ。

 まさに「高品質・良食味・安全・安心」の条件を満たした売れる米ということになる。

 さて、非主食用米について水田フル活用ビジョンは何と書いているか。「水田戦略作物の重点品目と位置づけ、積極的な作付拡大と多収品種の導入による生産力向上を目指す」。

 非主食用米とはどんなものか。「飼料用米」「米粉用米」「WCS(ホール・クロップ・サイレージ)用稲」「加工用米」「備蓄米」と分類されている。

 聞き慣れないWCS用稲とはなんだろう。別名は稲発酵粗飼料。稲の穂だけでなく茎など含めて牛の粗飼料として使われるそうだ。

 これに対し飼料用米は文字通り米を牛や豚、鶏の濃厚飼料として使うようだ。

 飼料用米は田園地帯に行くと、鳥たちの姿をよく見かける非主食用米の期待の星といえる。水田フル活用ビジョンは「主食用米の需要減少が見込まれる中、転作作物の一つとして飼料用米を位置づけ、生産拡大を図る」という。具体的には「多収品種の作付を推進し、産地交付金の追加配分を活用しながら、平成25(2013)年の667haから平成28(2016)年には1350haへ作付拡大を図る」とあった。

 果たして弥生で見たものが飼料用米かどうかは分からないが、水田地帯に見慣れた稲穂とは違うものが増えているのは間違いなかろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です