魚のつかみ取り大会を真剣に見たことはなかった。参加者への整理券配布前から水槽の準備、つかみどり開始まで順を追って見たのは今回が初めてになる。佐伯市鶴見で開かれた「つるみ豊魚祭2016」に早く行きすぎたのが原因だった。そこで見た魚の入れ方はなかなか豪快だった。
つるみ豊魚祭は由緒正しい祭りである。さかのぼること今から35年前。ここ鶴見を主会場として「第1回全国豊かな海づくり大会」が開かれた。それを記念して翌年に始まったのが「つるみ豊魚祭」である。
鶴見漁港は大分を代表する水産基地であり、水揚げ量も多い。「鶴見産」の魚といえば県内では「鮮魚」の代名詞ともなる。実際、つるみ豊魚祭の会場の一角にある魚介類販売コーナーには早くから人だかりができていた。
アジ、イカ、カマス、タチウオ、サワラ、カツオ、ブリにカニ、サザエ、伊勢エビ、車エビなどが並び、熱心に品定めしている人も。反対側ではヒオウギ貝の販売準備が進む。
豊魚祭の開会式は午前10時からだった。ところが、会場に着いたのは2時間早い8時。例年1万4千人ぐらいの人出があって混雑するという話を聞いたので、早めにと思っていたが、早すぎて時間をもてあましそうだ。
会場に着くと行列があった。しばらくするとどんどん増えていく。午前11時から魚のつかみどりがある。対象は小学生以下で参加料は無料。ただ、2時間前の9時から配布される整理券をもらわなければならない。そのための行列だった。
さて、会場内をぶらぶらして、鮮魚コーナーや露店などを見て回って待つこと約2時間。開会式が始まった。主催者挨拶に続いて佐伯市長などの来賓挨拶があって約20分で式は終了。祭りといえば恒例の餅まきに移った。
餅まきを終え、つかみどりの準備が本格化した。既に大きな水槽が三つできている。ここに魚を入れる。冒頭の写真はその1シーンである。他の写真を見ると、アジだけでなく、カレイかヒラメか、タイのような魚も見える感じがする。
つかみどりの魚種は多そうだ。大量に魚を投入する前には伊勢エビとヒラメ、タコが水槽に放たれた。なかなか豪快で豪華な魚のつかみどり大会である。参加者も多く、みんな真剣になるはずだ。
準備が進み、予定より少し早くつかみどりが始まった。子どもたちに追われた魚は中央に。軍手をして大きな袋を持った子どもたちが魚を追い詰めていく。器用に魚を捕まえては次々に袋に入れていく子も。
周囲にいる保護者も徐々に前のめりになっていく。会場は熱気にあふれていた。
どこも、魚のつかみどりとなれば、こんな盛り上がりをみせるのだろうか。豊魚祭は午後3時まで続くのだが、午後は予定があり、魚のつかみどりの途中で会場を後にした。この日はスマガツオを1匹(300円)購入した。