迷路のような道と街

 八町大路は旧城下町のメインストリート午前中は佐伯市で定例市長会見に出席。午後は臼杵市に行くことになっていた。臼杵城跡の前にある同市観光交流プラザにクルマを止め、道路を渡って八町大路(中央通り商店街)に入った。今日の取材は「城下町・臼杵の町並み保全」がテーマだから、事前に写真でも撮っておこうと考えた。八町大路をぶらぶら歩き、道沿いの「サーラ・デ・うすき」をのぞくと安東水産の安東孝一社長と会った

 サーラ・デ・うすきと安東社長の話は10月21日付佐伯支局長日誌「地魚バイキングを試食」に書いた。

 安東水産は毎週土曜日朝に臼杵魚市場で開かれる海鮮朝市で鮮魚を販売している。「また美味しい魚を買いに行きますよ」と言うと、12日は漁協がカジキマグロの解体をやる予定だからとの返事。臼杵の突きん棒船が対馬周辺で仕留めたカジキを臼杵に運んできて、解体ショーをやるとのことだ。

 突きん棒船は見たことはないが、話は聞いたことがある。船首の先に「突き台」があり、そこから長い銛を持った漁師が泳いでいるカジキめがけて銛を放り、命中させる。突き手とカジキの動きを追う見張り、船の操縦役の三者の息が合わないと難しいらしい。

 臼杵には突きん棒漁の長い歴史と伝統があるようだが、今や突きん棒船も片手にも満たない数だという。

 魚市場の土曜朝市も始まったころはもっと販売業者がいたそうだ。今は店開きしているのは2業者。ここにきて朝市の再活性化のために何かやろうとなっているようだ。

 安東さんと会ったために話が横道にそれた。

 昔の町並みの雰囲気を漂わせる細い路地今日のメインの仕事は大分県建築士会臼杵支部の取材である。第9回まちづくり賞(日本建築士会連合会主催)の公開選考を兼ねた発表会が10月21日、大分県別府市であった。臼杵支部はまちづくり大賞は逃したが、参加者中2番目に多い票を得て、まちづくり優秀賞を受けた。

 同支部の代表者が10月28日、市長に受賞報告に来る。その取材案内を市役所担当者からFAXで受けた。

 だが、その日時は佐伯市の旧最勝海(にいなめ)小学校校舎を使った大分、宮崎両県警の災害警備訓練とぶつかる。考えて県警の訓練を優先することにした。

 そして、後日、大分県建築士会臼杵支部長に電話して時間をとってもらうことにした。それが今日(2日)だった。

 事前に臼杵市役所からもらった資料がある。「臼杵支部は30年以上にわたって臼杵市と協働で取り組んできた町並み景観の保全形成活動が高く評価され、その内容が全国的にも珍しく先進的な事例であった」とある。

 30年以上に及ぶ臼杵支部の取り組みはさまざまある。ただ、今回のまちづくり賞の対象は「最近の活動」。臼杵支部ではこの5年間の活動を報告した。

 家屋などの老朽化が進む。その中で今の制度や規制にそぐわなくなった昔の町並みを残すために、どう折り合いを付けるか。臼杵支部がやったことは、その解決策を提示したことだ。建築基準法が求める最低4m幅の道路がとれない。逆に今の狭い道の幅を広げると、折角の風情が損なわれる。その時にどうすればいいか。昔のたたずまいを残すためのアイデアを出した。

 景観を大事にしようとする臼杵市。では、具体的にどうすれば景観が守れるのか。守るべき景観とは何か。具体的なデータや事例で市民にも分かりやすく例示する役割を県建築士会臼杵支部が担ってきた。

 臼杵の旧城下町の町並みを地元出身の作家野上弥生子(故人)は巨大迷路と表現したそうだ。この一帯を歩くといつも迷う。方向感覚を失う感じがする。それはそれで良い。広くない区域だから迷い続けることもない。

 狭い路地に風情が感じられるそこに住んでいる方々がどう思うかは別にして、時に雑然とし、ひしめき合うような町並みには懐かしさを感じる。こうした町並みの維持に積極的に関わる県建築士会臼杵支部には感謝したい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です