事故はないはずだった

 愛媛県伊方町の住民が大分県に避難する訓練が行われた四国電力伊方原発がある愛媛県伊方町から大分県津久見市に避難する訓練が11日に行われた。松山海上保安部の巡視船「いさづ」に乗った住民12人と町職員2人の計14人が正午前に津久見港に着いた。訓練の予定表によれば伊方町の三崎港から2時間余りの船旅である。訓練は大切だが、伊方町の住民は心の中で思っているのではないか。そもそも「事故は起きない」はずだったのに、と。

 「原発は安全で事故は起こらない」。原発の安全神話は東京電力福島第1原発事故とともに崩れ去った。話は百八十度変わった。「事故は起き得る」と。だから、原発の大事故を想定した今回のような大規模訓練が行われることになった。

 愛媛県から大分県に船で避難する。この訓練は愛媛県を中心に内閣府や原子力規制委員会など87機関約2万1000人が参加する原子力防災訓練の一環として実施された。

 訓練は①地震が発生し、運転中の伊方原発3号機の原子炉が自動停止②その後、全交流電源の喪失及び1次冷却材の漏えいが発生し、原子炉格納容器が破損③放射性物質が外部に放出された-との想定で実施された。

 要は福島第1原発事故と同様の事故が起きたとして、関係機関が協力して原発から30km圏の住民の安全を確保するため、あらかじめ予行演習しておこうというのが訓練の趣旨である。

 避難住民よりも報道陣の方が多そうだ伊方原発は佐田岬半島の付け根の部分にあるから、そこより西側、つまり半島の先側の地域の住民は四国のその先、九州に逃げるしかない。

 いざとなれば大分県に逃げることになる。訓練を通じて愛媛、大分両県の連携を深めることで万が一の時の受け入れもスムーズに行くはずだ。それは伊方町の住民にとっては心強いことだろう。

 しかし、と住民は思っているのではないか。蒸し返すようだが、福島第1原発事故までは「日本の原発は事故を起こさない」という安全神話がまかり通ってきていた。考えて見れば5年半ほど前まで繰り返し「安全」が説かれてきたわけだ。

 今さら「もしかしたら大事故があるかもしれません。万が一の場合は避難して下さい」などと言われても伊方町の住民は納得しがたいのではないか。真面目に避難訓練に参加している人たちを見ながら、そんなことを思った。

 いろんなことが次々に起きるので、大切なことも忘れてしまう。福島第1原発事故についてももう記憶もあやふやになってきた。そもそも事故の細かい内容について知っているわけではないが、忘れ去るには少し早すぎる。

 避難訓練で思い出した。久しぶりに「わかりやすいプロジェクト国会事故調編」のウェブサイトを開いて、福島事故について復習してみた。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です