茶の間もサロンもある

さいきの茶の間と書かれた暖簾  佐伯市役所から送られてくる週間予定表の中で「『さいきの茶の間』開所式」というのを見かけることがあった。「さいきの茶の間」とは何か。分からないままにしていたが、市長とのふれあいトークに同行してようやく理解した。高齢者が家に閉じこもらないように地域に寄り合い場所を設ける事業のことだった。

 「さいき茶の間」とは、地域で閉じこもりがちな高齢者や障がい者が気軽に立ち寄り、交流できる場所を設けた団体などに、市が運営費の一部を助成する事業である。

 茶の間を設ける狙いは何か。認知症を予防する。健康寿命を延ばす。これは介護保険料の抑制につながる。地域住民が顔見知りになってコミュニティとしてのまとまりを強くする。これは南海トラフ巨大地震などの大災害への備えになる。そんなことのようだ。

 茶の間を始める団体には最初に50万円が支給されるほか、年間運営費補助として20万円が各団体に助成される。市の独自事業で始まって10年ほどになるという。市によると現在市内で36カ所の「茶の間」が開設されている。

 冒頭の写真は鶴見地区(合併前の旧鶴見町)の5団体と市長が意見交換しているところである。鶴見地区は上浦地区(旧上浦町)とともに「茶の間」事業に積極的といえる。

 「茶の間」は具体的には何をしているのか。鶴見地区の5団体に共通するのはカラオケ。今年9月に始めたばかりの団体はカラオケと健康体操の二つ。これに対し、4年以上の活動歴を持つ団体はカラオケのほか、グラウンドゴルフ、バッコー、ゲートボール、絵手紙、囲碁・将棋、歴史などと幅広い。

 開設6年と鶴見地区で最初にできた茶の間は手芸、クラフト、編み物、料理なども行っている。

 開設場所は地区の公民館や集会所だという。

 市の助成を受けるには条件がある。原則毎月10回以上開催すること。補助金は飲食には使えない。ここらあたりは、もう少し融通がきかないか。事業者側からはそんな声もあった。

 茶の間同士の交流もしたいなどの要望もあった。それには上浦や鶴見など地区協議会を設けることができると市長から説明があった。協議会には別途予算が付くという。そこで交流や研修の計画を立ててはどうかとの話だった。

 さいきの茶の間は着実に増えてきているが、市長が当初思い描いたほどには増えていない。

 同じような事業が別にあるのも、その原因の一つかもしれない。佐伯市の市政モニターに次のような声があった。「茶の間、いきいきサロンと事業が、人数の少ないところでは、だぶっているのでないかと思います」。

上津川のかかしまつり

 いきいきサロンは大分県の事業である。サロンは月に1、2回、運動指導員を頼んで健康教室をするのだそうだ。それに県の補助金が出る。佐伯市のサロンの活動で有名になったのは本匠上津川のかかしまつり。認知症予防にとかかし作りを始めた。大分県社会福祉協議会の報告書を見ると、高齢者が対象のサロンが盛んなのは大分、佐伯、竹田、豊後大野、由布、国東各市である。

 佐伯市が独自に進める茶の間にも地域差がある。宇目地区(旧宇目町)や弥生地区(旧弥生町)、米水津地区(旧米水津村)にはない。

 市では全域に茶の間を広げながら、茶の間とサロンの事業を統合しようとしている。しかし、縦割りの壁がありそうだ。

 市では茶の間の担当は高齢者福祉課、サロンは社会教育課になっている。事業の目的も、茶の間は自主的な地域活動を実施する団体に対する支援事業で、サロンや高齢者学級は個人を対象にした事業だという。

 なんだか難しい話になった。ここまで分かったことを整理すると、同じような目的でありながら、いろんなルートから補助金や何やらが出ていることだ。

 誰が高齢者対策に最終的な責任を負うのか。国か都道府県か、市町村か。市町村が負うのなら国や都道府県は余計なことはせず、市町村にそのための財源を渡すべきだろう。まずは問題提起をしておき、自分でもさらに調べたり、考えたりしてみたい。

 

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