対策本部の移転訓練

訓練で市役所を出る市長ら 南海トラフ巨大地震が発生し、大津波警報が発令された-との想定で、津久見市は30日夕、災害対策本部機能を市庁舎から消防本部に移す訓練を実施した。消防本部の敷地は海抜34m。大津波が来ても大丈夫だが、市庁舎から約3kmの距離がある消防本部に機能を移すのは、それだけが理由ではない。

 大きな問題は市庁舎の老朽化である。5月6日付佐伯支局長日誌「市庁舎の違いはどこに」でも書いた。市庁舎の本館が完成したのが1958(昭和33)年で築58年になるという。正直に言って大地震が来たら大丈夫かと本気で思わせる建物である。

 本館横に別館や新館もあるが、全体に古いことに加えて手狭である。ならば建て替えればいいではないかとなりそうだが、問題は資金である。地方の小さな都市にとって市庁舎建設費用が30億円とか40億円とかになると捻出するのは容易ではない。東京都のような富裕な自治体はまさに雲の上の存在である。

防災機器の整備は東日本大震災を契機に進んだ とはいえ、熊本地震で市庁舎が壊れて、災害本部機能が損なわれた自治体があった。それを受けて津久見市でも新庁舎の建設検討委員会を設けて議論を始めた。

 ただ、新庁舎ができるまで災害が待ってくれるかどうかは分からない。今打てる手として考えられるのは、今春完成した消防本部の建物に災害対策本部機能を移して、市の業務を継続させることだ。

 消防本部に移って体制を整える市職員今回初めて実際に職員がクルマで市庁舎から消防本部に移り、電話を設置したりする訓練を行った。この日参加した職員は74人。職員の動員は地震など災害の規模によって5段階に分かれる。地震の場合は震度6以上で最高のレベル5になる。

 この日は午後5時45分に震度5弱の地震が起きたとの設定で、レベル3までの職員が登庁し、公用車を使って消防本部に行くとのシナリオだった。

 訓練は滞りなく終了した。当然だが、災害はこちらが思ったような形で起きることはない。だから、さまざまな状況を想定した訓練が欠かせない。この日の訓練はまさに第一歩を踏み出したところに意義があるわけで、今後、どこまで訓練が進化していくのかがポイントだ。機会があればまた報告したい。

 

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