徘徊高齢者の保護訓練

地域の住民が参加した徘徊高齢者の保護訓練 佐伯市西上浦地区で82歳の女性が行方不明になったとの想定で、住民による捜索・保護訓練が行われた。同市は「認知症になっても安心して暮らせるまち佐伯」を目指し、高齢者を見守る地域のネットワークをつくろうとしている。西上浦地区はモデル地区の第1号で、住民らによる捜索・保護訓練は市内では初めてだ。

 認知症への理解と住民による日常的な声掛け、見守りが進んでいるので有名なのが福岡県大牟田市である。西上浦地区は今年7月にモデル地区指定を受けると、9月に大牟田市であった訓練に住民十数人が佐伯市職員とともに参加した。

 地区公民館の玄関に模擬訓練の看板がその経験も踏まえて3日の訓練実施となった。地区公民館の玄関前に看板があった。訓練の正式名称は「佐伯市SOSネットワーク模擬訓練 in 西上浦」とある。認知症で高齢者が行方不明になったとの想定で行う。今回探す不明者は佐伯花子さん、82歳。日課とする夫の墓参りに出かけたまま家に帰ってこないとの話だ。

 事前に認知症の高齢者への声の掛け方や接し方を学んだ上で、花子さんに関する情報を得て、いよいよ捜索開始である。ここでのポイントは闇雲に探すのではなく、情報を踏まえて花子さんが行きそうな場所などを思い描きながら探すことだそうだ。

海沿いの道を歩いて花子さんを探す 住民グループが6班、消防団が1班の計7班が地域を分けて花子さんを探す。その際、偽物の花子さん(ダミー)5人も捜索地域内に配置し、見慣れぬ高齢者を見かければ声を掛けて名前などを聞き出す訓練をする。海沿いの地域を捜索する班に同行して訓練の様子を見学することにした。

 今回の訓練に参加したのは住民のほか、市職員など関係者を入れて約90人。一方、9月に大牟田市であった捜索・保護訓練は全市で約2000人が参加したそうだ。なにせ今年で13回目だという。歴史が違う。まだまだ大牟田市など先進地に学ぶことは多そうだ。

OECDの資料にあったグラフ ところでOECD(経済協力開発機構)の資料を見ていて改めて驚いた。「図表で見る医療:アジア太平洋地域2016年版」(11月23日発表)に一つのグラフがあった。字が小さすぎて見にくいが、アジア太平洋地域の高齢化率の推移である。2050年の全人口に占める65歳以上の割合を各国別に予測している。

 日本は2015年の26.3%から50年は36.3%に。韓国は13.1%から35.1%に、香港は15.1%から34.5%に急増する。50年に30%を超えるのはほかにシンガポール(2015年11.7%)とタイ(同10.5%)。中国は27.6%だが、15年の9.6%と比べるとほぼ3倍である。

 80歳以上の高齢者が占める割合は日本が15年の7.8%から50年は15.1%とほぼ倍増する。これに肩を並べるのが香港で50年は15.0%(15年は4.3%)。次いで韓国の13.9%(15年は2.8%)、シンガポールの13.8%となっている。ちなみに中国は8.9%(15年は1.6%)になると予測されている。

 34年後は80歳以上が占める割合が日本は現在の約2倍、韓国、中国は約5倍になる。これは推計だから、現実は異なったものになるかもしれない。ただ、日中韓3カ国が「とてつもない老人大国」になるのは間違いないのではないか。一体どんな社会になっているのか。ちょっと想像がつかない。

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