100%地産地消の焼酎

自分たちの米でつくった純米焼酎「唐変木」を瓶詰めした 佐伯市に「ぶんご銘醸」という酒造会社がある。日本酒と焼酎、甘酒を造っている。甘酒は西嶋泰義市長のオススメで大変に人気があるのだそうだ。ただ、今日は甘酒の話ではない。4日は純米焼酎「唐変木」の瓶詰めとラベル貼りの作業を見に行った。ぶんご銘醸から「地産地消『青山唐変木』に関する案内と取材依頼」があった。面白そうなのでぶんご銘醸を訪ねてみることにした。

 唐変木とはどんな焼酎か。案内には「弊社では佐伯『青山』地区のお米を使用し、『純米焼酎唐変木』を青山地区の農家の方々とともに製造販売して参りました」とある。

 案内には続けて「毎年、青山地区の新米で米焼酎を仕込み、青山地区の方々が愛飲いただく焼酎と、佐伯地域限定で発売する地産地消の取り組みです」と書かれていた。

 青山産米を使った焼酎唐変木が入ったタンク青山地区の農家の人が作った米を原料に使って酒造会社が焼酎を造る。できた焼酎から青山地区の農家の人たちが飲んだり、人に贈ったりする分を除いた残りを佐伯市内で販売する(一升瓶1.8ℓで2200円だそうだ)。「100%地産地消の焼酎」というわけだ。

 案内の文章はさらに続き「11月初旬より焼酎の仕込みを行い、12月4日に最終作業の瓶詰めとラベル貼りを行います」とあった。そして最後に「農家の方々の集合時間は8時30分の予定です」と付け加えられていた。

 ぶんご銘醸は旧直川村(佐伯市直川)にある。少し遠いので早めに出ると朝8時前に着いた。事務所のドアは閉まっている。ここでいいのか。少し不安になり、担当者の携帯電話に掛けてみた。すると間違いないとの返事。早く来すぎた。仕方がないので、クルマの中で誰かが来るのを待った。

 唐変木のラベルを貼る準備ができていたしばらくすると軽トラックが1台、2台とやって来た。案内文にあった「農家の方々か」。軽トラから降りた人たちが入って行くドアがあった。ついて行くと、そこは作業場。瓶詰めなどをする準備が既に整っていた。

 そこに集まっている農家の人たちには市役所職員もいる。兼業農家の方々と言った方がいい。ぶんご銘醸に集まったのは青山地区の住民グループ「唐変木の会」のメンバーとしてである。事前に何も調べてなかったので、現地に行って初めて、そういう会があることを知った。

 会長は安藤一生さん、68歳。安藤さんに会について聞いてみた。始まりは2001(平成13)年だそうだ。地区の富尾神社の「御幸祭典」で酒を振る舞う。その時に自分たちで造った焼酎を出したらどうか。そんなことから焼酎造りの話が始まったらしい。といっても酒造りに必要な免許を持っていない。そこで、ぶんご銘醸に相談した。唐変木の会の前事務局長に知り合いがいたのだそうだ。

 今年は16人の会員が1人90kgずつ白米を出して計1440kgを原料に「青山産米100%」の純米焼酎を造った。瓶詰めするのは1400本以上になるそうだ。このうち約6割を唐変木の会が引き取り、残りの約4割はぶんご銘醸を通じて佐伯市内の酒販店で販売する。

 テーブルに並んだ唐変木の一升瓶会長によると、瓶詰め作業が終わった後の4日午後は唐変木の会で試飲をするそうだ。あんたもどうかと言われたが、飲酒運転はできませんと答えると、クルマを置いて3000円のタクシー料金で帰れるでとさらに一言。唐変木の会には古酒がある。毎年原酒をとって置き、貯蔵しているそうだ。

 残念ながら試飲会には行けなかった。自分で育てて収穫した米を使って自分が飲む酒を造る。酒の自給自足である。誰にでもできることではない。考えてみれば、なんともぜいたくな話だな、と思った。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です