佐伯城山百年ビジョン

城山から市街地が一望できる 佐伯城山(豊後佐伯城址)の活用・保存に関する基本方針(案)の市民説明会が20日夜、市役所6階大会議室であった。ちょっと遅れて行ってみると、参加者は予想以上に少ない。市民より市の担当職員の方が多そうだ。市民の関心が高くないのか、市の告知の方法がまずかったのか。市が検討会を設けて城山の活用・保存を議論していることも市民にあまり知られていないのかもしれない。

 説明会に参加した人は少なかったが、その分、関心が高く、問題意識を持った人が目立った。その人たちから見ると、市は本気で城山の保存や活用に取り組もうとしているのか疑わしく思えるようだ。

 翠明の道を歩いて山頂を目指した市は基本方針と100年ビジョンをつくり、それを踏まえて城山の景観づくりをし、あらためて城山をランドマーク(市のシンボル)と位置づけていくという。ただ、検討委員会を設けて基本方針を定め、100年の長期ビジョンをつくって進めていくというのは悠長な感じはする。

 今、山城ブームだそうだ。山頂の城跡は標高144mでりっぱな「山城」であり、それを見に来る人も多いようだ。もちろん健康管理も兼ねて城山に登る市民も多い。市によると、1日平均250人が訪れているという。年間では延べ約9万人となる。

 市中心部にある市民の憩いの場であり、自然観察にも手頃な場所である。しかも観光資源としての活用も考えられる。ならば、100年ビジョンなどと言わず、早く必要な手を打ってはどうか。説明会に参加した市民からはこんな意見も出された。

 文豪国木田独歩も愛した城山市も現状の城山の課題・問題点を把握している。説明会では①維持・管理②景観整備③活用-の課題が挙げられた。維持・管理では「施設・設備(東屋、説明看板、ベンチなど)の老朽化」「事故発生時に救急車両が登れない」「登山道が登りやすい道とは言い難い」という課題が出された。

 景観整備では「長年にわたる樹木の成長により、城があった山という印象が与えられない」との課題がある。活用では「積極的な活用・保存がされてなかった」と一言で結論づけている。

 山頂へは登城の道もある城山の山頂に登るには四つのルートがある。翠明の道と独歩碑の道。その真ん中にある登城の道。この3本の道は中心市街地側にあり、城下町の風情が漂う「歴史と文学のみち」や佐伯文化会館から足を伸ばせば山頂まで遠くない。

 若宮の道は通行止めにこの3本のルートとは反対側の若宮八幡宮側にあるのが若宮の道である。だが、この道は現在通行止めになっている。説明会では、山の木を伐りすぎたのが原因との指摘もあった。自然の保全か観光開発か。そんな二者択一の問題ではないが、城山の活用・保存といっても人によって頭に思い描くビジョンも異なる。

 議論の進め方として、城山の活用・保存で幅広く市民の意見を聞くのが最初だったのではないか。さまざまな意見の中には当然対立するものがある。ただ、多くの共通した声もあるだろう。

 寄せられた意見を分類する。一つは市民の合意を得やすく早急にできること。二つ目はもう少し時間をかけて実施すべきこと。最後に問題点を整理して市民の理解を得ながら中長期的に取り組むこと。

 その上で検討委員会を開き、すぐにはできない課題について整理し、市としてどう対処していくかを決める。中長期的なロードマップをつくる。そんなやり方もあったのではないか。

 手順を逆に、まずは市民の声を聞く。そこから始めた方が城山の活用・保存についての市民の関心が高まったのではなかろうか。

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