突然の閉館のお知らせ

31日で閉館するヤマコ臼杵美術博物館 7日の午前10時前に2枚のFAXが届いた。発信者は臼杵市役所市長室。1枚目にお知らせとあり、「『ヤマコ臼杵美術博物館』閉館について」とあった。資料に電話番号が書いてあり、とりあえず電話すると「館長の藤原は市庁舎にいます」と言う。藤原さんは市議会議長で、今議会が開会中である。昼休みに話を聞くことにして、データベースで過去の記事を検索してみることにした。

 ヤマコ博物館開館の時の記事があった。1990(平成2)年4月12日付西日本新聞朝刊である。臼杵市深田の「石仏の里博物館」が11日、「ヤマコ臼杵美術博物館」と改称して開館した、と記事にある。

 石仏の里博物館は15年ほど前(1990年時点)に開設された。貝合わせなどが展示されている。ヤマコ臼杵美術博物館HPより。臼杵藩主稲葉家に伝わる美術品を中心に、漆塗りの蒔絵(まきえ)婚礼調度品約450点、大分県指定文化財の稲葉文書94通などを所蔵。だが、経営難から1988(昭和63)年8月に閉館。これを愛知県安城市のノリ加工業「ヤマコ」が買収、再開した-などと記事にあった。入場料は大人400円などとあり、現在も変わっていない。

 ヤマコは乾し海苔加工・販売の大手企業である。なぜ、それが美術館なのかと思い、ヤマコのホームページを開くと会社案内があった。それを見ると、冒頭に「ヤマコとはどんな会社かについて。まず、『稲荷』と『美術館』の話からさせてください」と書かれている。

 「顧客第一主義」「地域への貢献」というヤマコの企業理念を形にしたものが、この二つだと言う。すんなりと理解できないところも残るが、ともかく社会貢献、地域貢献の一つの姿が美術博物館運営ということだ。

 開館から27年。では、なぜ今、閉館なのか。FAXの2枚目が美術博物館理事長を務めるヤマコ社長と藤原館長の連名で届いた挨拶文。そこに「地域貢献の理念により運営してまいりました当ヤマコ臼杵美術博物館も民間企業の博物館として一定の役割を終えたことから」と閉館の理由が書かれていた。

 これでは漠然としすぎている。もう少し詳しい話を聞こうと、午前中の議会が終わったところで藤原さんを訪ねた。建物のこともあるようだ。石仏の里博物館から数えると約40年になる。傷みが出てきているという。

臼杵石仏との710円の共通券がお得で 国宝臼杵石仏に往時の賑わいがないこともある。臼杵石仏に隣接する同館では臼杵石仏とのお得な共通券(大人710円)が一つの売りになっている。臼杵石仏に来る人が多いと、美術博物館に足を運ぶ人も増える。確かに石仏は見ずに美術博物館だけを見学するために来る人はそういまい。

 他にもいろんな要素はあろう。美術博物館が所蔵する稲葉家資料は地域貢献の考え方に基づき、臼杵市と話し合って今後の対応を決めるそうだ。

 閉館のお知らせをもらって、初めてヤマコ臼杵美術博物館に入り、展示品を見せてもらった。地元にあって、いつでも行けると思うと得てしてこんなことだ。なくなると聞くと、ちょっと見に行こうかと思う。臼杵市役所からのFAXできょう1日の計画は随分と狂ってしまった。

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