3機のヘリが米水津で

宮野浦の津波避難場所から集落を撮影した 佐伯市米水津(よのうづ)で大津波に備えた訓練が10日、実施された。南海トラフ巨大地震によって発生する津波の高さは米水津の浦代浦で県内最大の12.76m、色利浦で11.46mと想定されている。本当に大地震と大津波が起きたら、とにかく高台に逃げるしかない。では、その後は。「大津波警報解除後」を想定した訓練が今回新たに加わったのだという。

 訓練に参加したのは大分県、佐伯市、佐伯市消防本部・消防団、陸上自衛隊、海上自衛隊、海上保安庁、大分県警。県と県警、陸自のヘリ計3機が動員された。

 あらかじめ配布された資料をみると、訓練の内容と狙いが書いてある。南海トラフ巨大地震の発生を想定した避難訓練並びに孤立救助・救援活動訓練である。その目的は大分県と救助関係機関が有機的に連携し、救助・救援活動を迅速かつ円滑に行うこととある。

 何だかイメージしにくいが、3機のヘリの役割分担で説明すれば分かりやすい。県警のヘリにそとづけされたカメラ県警のヘリが捜索・発見、県のヘリが救援物資の搬送、陸自のヘリが救助活動をそれぞれ担当して訓練をやってみた。それが初めての試みということのようだ。県警のヘリ「ぶんご」にはそとづけされたカメラがある。これで地上を撮影する。その映像は同時に大分県防災センターなどで見ることができる。この日は高度150mで捜索活動を行った。

 探しているものは何か。「黄色のサイン」は物資が足りない「黄色」と「赤色」の「サイン旗」(縦横各2m)である。「黄色」は避難所の物資が足りないことを意味している。「赤色」は住民の救助を求めている。南海トラフ巨大地震とそれに伴う大津波によって佐伯市の沿岸部では多くの孤立集落が発生すると予想されている。

 孤立した集落や住民を見つけ、少しでも早く救助・救援の手をさしのべる。そのための工夫の一つである。この日の訓練は黄と赤のサインを見つけることができるか、その画像が防災センターなどにきちんと届いているかを確認することが目的の一つだった。

陸自のヘリで住民が避難してきた さて、サインが確認されると、県の防災ヘリと陸自のヘリの出番である。県のヘリは物資輸送に、陸自は住民救助に、それぞれ出動する。この日の訓練では防災ヘリは南部にある色宮小学校グラウンドに物資を運ぶことになっていた。一方、陸自のヘリは北部の住民移送を行い、米水津スポーツ公園に着陸することになっていた。平日の晴れた昼間ということもあり、訓練は時間通り、予定通りに進んだ。

避難所に向け坂道を上るのも楽ではない 本番はこうスムーズには運ぶまい。ただ、訓練を重ねることは無駄ではない。よく言われるようにやったことのないことはできないからだ。とはいえ、避難所に通じる狭い坂道を上るだけでも楽ではない。南部の宮野浦地区での避難訓練の様子を見に行った。高台にある3カ所の避難所に向かうお年寄りも大変そうだった。できれば何事もないことに越したことはない。訓練を見ながら改めてそう思った。

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