かぼすブリを缶詰に

テーブルに置かれたかぼすブリの缶詰 かぼすブリの缶詰の引き渡し式が23日、臼杵市役所であった。作ったのは臼杵市内の大分県立津久見高校海洋科学校の生徒たち。市の依頼で2014(平成26)年度から製造し、本年度が3回目の納入となるのだそうだ。ところで、なぜかぼすブリの缶詰を作ることになったのだろう。缶をよく見ると四つの目的が書かれていた。

 かぼすブリの缶詰は市が保管する「災害用備蓄缶詰」として生産されている。臼杵市では南海トラフ巨大地震とそれに伴う大津波で甚大な被害を受けることが懸念されている。災害への備えは急務であり、不可欠だ。

 では、かぼすブリの缶詰はどれくらい作られるのか。同校の3年生16人と2年生10人で40匹のかぼすブリを原料に、85g入りの缶詰1056個を製造した。これだけでは大災害時に臼杵市民のお腹を満たすのは難しかろう。

1箱に48缶が入っている 備蓄用缶詰ならば大手メーカーなどのものを買った方が安いかもしれない。だが、缶詰製造には他にも目的がある。一つは「地産地消」である。臼杵市は大分特産のかぼすをエサに入れて養殖する「かぼすブリ」の産地の一つである。地元の魚を使った缶詰を作り、いざというときには急場をしのぐ食料の一つにする。わずかでも防災が地元の産業振興に役立つというわけだ。

 続いて缶詰には「市民に還元」「普及啓発活動」とあった。かぼすブリを使った缶詰は賞味期限が3年。幸いにして大きな災害がなければ賞味期限が来る前に活用方法を考える必要がある。その一つが学校給食。1回目の14年度に作られた缶詰は給食に使われている。

 子どもたちにかぼすブリを食べてもらうことで地元での消費拡大のきっかけになれば、というわけだ。

 しかし、最も大きなものは高校生の防災教育、地域貢献だろう。缶詰にも生徒の「防災教育」が目的として掲げられている。自分たちが作ったものが万が一の時に役に立つ、感謝してもらえる。そう思えばやりがいも出る。自分たちの活動が社会、地域と直につながっている。そう感じられることは生徒の自信や誇りにもつながるだろう。

 

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