首長発言に見る共通項

西嶋前市長(右)から引き継ぎを受けた田中新市長 佐伯市役所では17日、新旧市長による事務引き継ぎが行われた。それに先立ち、午前8時20分から初登庁セレモニーがあったが、これは失礼し、事務引き継ぎでの写真撮影とその後の記者会見に行った。田中利明市長の就任に当たっての記者会見要旨は佐伯市役所のホームページに掲載されている。津久見、臼杵両市長などの発言と共通する部分も少なくない。ここから地域の課題もみえてくる。

佐伯市長会見の要旨佐伯市長会見の要旨 ホームページにある記者会見要旨では、重点的な取組について、とある。

 その1が 人口減少対策
 佐伯市では1年間で約1,000 人の人口が減少しています。これは、市政の大きな課 題であると認識しています。これに歯止めをかけるためには、若い人の働く場を確保することが急務です。

 その2が 産業の振興
 高速道路開通という有益性を生かし切れていないところがあるので、企業誘致に関する プロジェクトチームを立ち上げ、一層の推進を図りたい。合わせて造船・海運・ 鉄工・農林水産業などの地場産業の振興を図ることが重要と考えています。

 その3が移住・定住の促進                                    
定住人口の増大を図るためには、雇用の拡大はもちろんのこと、空き家等を活用した住宅 政策も重要です。活用可能な空き家を市の管理下に置いて有効活用することにより、移住・ 定住に必要な住宅の確保を進めたいと考えます。

 その4が 教育環境の整備 
「教育レベルが定住を支える」と言われます。特に若い人の定住を促進するには、子ども に対する教育内容の充実が不可欠です。ただし、偏差値を上げることだけでなく、基礎的な 学力、産業に関わる教育に力を入れ、地域を支える人材の育成を図っていきたいと思います。

 高校までの教育の質の向上も含めて津久見、臼杵両市と共通する課題が並んでいる。しかも、この3市にとどまらず上記の4項目の重点課題は多くの地方都市に共通する課題だろう。

 臼杵市では基礎学力向上のカギとして推進しているのが読書。毎月23日を「〝臼杵っこ〟読書の日」と定め、読書の習慣づけをしようとしている。

 津久見市では「ふるさと教育」を推進する。伝統芸能の扇子踊りを子どもたちが習ったり、市の主力産業であるセメント工場と石灰鉱山の見学を行ったりしている。目的は家庭・地域との協働による特色ある学校づくりと学ぶ意欲と活力に満ちた「津久見っ子」の育成という。

 田中市長も指摘するように、企業誘致も移住・定住、Uターン・Iターン・Jターンも、その地域の教育水準、教育環境の話を抜きにしては語れないと首長たちが考えているということである。多くの地方都市の首長が同じような問題意識を持ち、地域活性化のために同じ方向に歩を進めている。

 他の自治体との競争だから企業誘致も移住・定住者の呼び込みも容易ではない。といって独自路線をとろうとしたら財源を握っている国や県などがいい顔はしまい。自主財源がたっぷりとある市町村の首長以外は補助金や交付金などを頼りにするしかないのが現状である。

 ところで、田中市長が信条としているのが「現場主義」。市民ニーズをつかむための手段として現場主義を掲げている。市職員は地域行事なども含めて現場へ足を運び、現場の声に十分耳を傾けてもらいたいと言う。

 現場主義は臼杵市の中野市長も言っていた。声を上げたくても上げられない市民がいる。行政がその声を積極的にすくい上げる努力をしないと市民の要望に応えていると言えない。そんな話だったと記憶している。

 地方都市では市役所が地元最大の組織であり、一番のシンクタンク(頭脳集団)である。地域の浮沈をかけた戦いはその才覚と力量にかかっている。日々精進していくしかない。

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