セメントと石灰石の町

つくみん公園に設置された大型タイヤのモニュメント 「セメントと石灰石の町・津久見ならでは」と言えるものが、同市中心部の「つくみん公園」にお目見えした。鉱山で採掘した石灰石をすくって大型ダンプ(積載量約100トン)に積み込む大型ホイルローダのタイヤである。タイヤの大きさは高さ3.1m、幅1.3mで重さが3.5トンある。同市は地域経済を支える産業について広く知ってもらおうと市内外に向けた情報発信を強めようとしており、今回のタイヤ展示もその一環である。

 津久見市教育委員会が小中学生向けに昨年11月に作った副読本「津久見の石灰石とわたしたちのくらし」がある。市内の中学2、3年生と小学6年生に配った。

 そこに全国と津久見市の石灰石の生産量が書かれている。津久見市教委が作った副読本それによると、国内には約250の石灰石鉱山があり、年間約1億4000万トンの石灰石が生産されている。このうち、津久見市では約2500万トンの石灰石が採掘され、日本一の生産量を誇っているとあった。豊富な資源である石灰石を原料にしたセメント産業も同市では早くから発展していった。

 市内には2016年11月22日付佐伯支局長日誌「児童の工場見学に同行」で訪ねた太平洋セメント大分工場がある。この時は市内の小学6年生の社会科見学に同行させてもらった。市が「ふるさと教育」としてセメント工場と石灰石鉱山の見学を実施したのは昨年が初めてだった。

昨年11月に見学した太平洋セメント大分工場 さらに今年3月には市内の二つの中学校で「ふるさと教育」として石灰石を使った理科実験が行われた。これも初めての試みである。市のホームページにその報告があった。中学2年生150人を対象に「世界に誇る津久見市の基幹産業である石灰産業について、地元企業の方々をゲストティーチャーとして招き、理科実験授業方式で学んだ」と書かれている。生石灰を使った発熱実験や発熱を利用してゆで卵をつくる実験などを行ったようだ。

 市民に対してあらためて市の基幹産業であるセメントや石灰石を知ってもらい、親しみを感じてもらおうとする一方、市外に対しては産業観光の目玉としてPRしていきたいと考えている。2月20日付佐伯支局長日誌「石灰石と生きるまち」などでも紹介した。

 2月20日に市が産業観光モニターツアーを実施した。それに参加して再び石灰石鉱山とセメント工場を見学した。モニターツアーの狙いは「石灰石・セメント産業」体験観光の実現である。そのために市内企業や市民の協力を得ながら、魅力的なプログラムを開発していく。2月のモニターツアーはその第一歩とも言うべきものだった。

 同市は2016(平成28)年度に17年度から5年間にわたって実施する「津久見市観光戦略」をつくった。津久見市観光戦略の1ページその中に「絵になる景観の整備」「全国に誇る地域産業との連携による観光商品開発と市中心部の賑わいの創出」の項目がある。鉱山・工場・港湾の景観や見学場所などの整備を進める一方、体験型観光の魅力的なプログラムをつくることが目標だ。

 昨年11月22日付の日誌「児童の工場見学に同行」で次のように書いていたことを思い出した。「『大正6年桜セメント九州工場の操業開始』と津久見市誌にある。大正6年とは1917年。来年は津久見でセメントの生産が始まって100年の節目を迎えるわけだ」と。

 市誌によれば今年はセメント生産開始100年の大きな節目である。まずはこれをタネにしてイベントを企画してはどうか。最初からうまくやろう、成功させようとしても難しい。試行錯誤の機会はできるだけ多い方がよいのではないか。

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