尾平青少年旅行村にて

大規模な改修が行われた青少年旅行村 豊後大野市緒方町にある「祖母山麓尾平青少年旅行村」を訪ねた。この旅行村は2013(平成25)年4月に営業を休止した。施設の老朽化が進んだことも一因である。そこで市は16(同28)年度に5500万円を投じて大規模な改修を行うことにした。狙いは旅行村を「ユネスコエコパーク」の調査研究・環境教育の拠点として再生することにある。ただ、改装作業後に営業再開がいつできるかはまだ未定との話だった。どんなところなのだろうか。とりあえず現地に行ってみることにした。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)のエコパークについては4月26日付佐伯支局長日誌「宇目に山ガール集まれ」でも紹介したばかりだ。

 ユネスコエコパークとは何か。佐伯市の推進協議会設立総会でもらった資料を見ると、ユネスコエコパークは、生態系の保全と持続可能な利活用の調和(自然と人間社会の共生)を目的に1976(昭和51)年からユネスコが開始した事業だそうだ(2016年6月17日付佐伯支局長日誌「藤河内渓谷で迷い人に」を再掲)。

 大分、宮崎両県は両県にまたがる祖母・傾・大崩地域のユネスコエコパーク登録を目指している。青い空に新緑が映える両県でつくる協議会には大分県側は佐伯市と豊後大野市、竹田市が参加し、宮崎県側は延岡市と日之影町、高千穂町が入っている。両県の目標は2017(平成29)年の登録である。地元自治体は登録の時期を6月中と見込んでいる。それに合わせてPRを徐々に強めていこうと考えている。豊後大野市で目玉の一つとなるのが、祖母山麓尾平青少年旅行村ほしこがの再活用である。

 インターネットで調べると、旅行村は旧尾平小・中学校の校舎を利用して造られたようだ。見た感じもそんな印象を受ける。洋館楓のしゃれた外観開業は1981(昭和56)年と書かれた資料もネットで見た。営業休止になった最大の理由もネットにあった。運営を担っていたNPO法人が手を引いたことである。NPO法人の会員が高齢化し、事業継続が難しくなったとあった。祖母山などへの登山客の利用だけでは採算を取るのは難しい。エコパーク登録を弾みとしてもっと多くの人に利用される施設にしたいと市は思っている。

 立地条件は悪くはないと思う。JR豊肥線の緒方駅からさほど離れていない場所に原尻の滝の水量は少ない感じが「東洋のナイアガラ」とも形容される原尻の滝がある。この滝の前を通る県道7号緒方高千穂線を山に向かってひたすら走る。原尻の滝から25km。宮崎県高千穂町との境が迫る尾平地区に着く。出発前に地図を見ていて、曲がりくねった道にどうなることやらと思ったが、道は予想した以上によかった。

 佐伯市宇目の藤河内渓谷をはじめ、山あいの道をあちこち行って少し経験を積んだ者として言えば、尾平までの道は楽勝だった。狭いところがあっても離合のためのスペースが数多く確保されているので、ゆっくり運転さえしていれば余裕を持って対向車とすれ違うことができる。

 家族連れや若者のグループ、年配の登山者など人出は思ったよりも多かった。エコパーク登録を機に改めて自然観察会などを企画したら、結構参加者は集まるのではないか。豊後大野市に聞くと、大分生物談話会(40年以上の歴史があるようだ)を代表とし、大分昆虫同好会や大分県植物研究会などと連携し、エコパーク域内での生物多様性調査を実施するとのことだった。

谷間を流れる水も澄んでいる そんな時の拠点となるのが青少年旅行村ということになる。問題はこの施設の運営をしようと名乗り出てくる団体、組織がないことのようだ。地元で手を挙げる人がいないのなら、市外に担い手を求めてはどうか。大分県を通じて広く全国に運営管理の候補者を募ってみてもいいかと思う。

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