宇目のうめぇもん市に

うめぇもん市は対面販売の試み 簡単な1枚のチラシが支局のFAXに入った。「宇目農林産物直売所」「うめぇもん市」と書いてある。20日(土)と21日(日)のそれぞれ午前10時から開始とあった。「うめぇもん市とは何だろう」。電話で直売所に聞いてみると、佐伯市宇目に移住した地域おこし協力隊員の発案で4月から始めたばかりだという。毎月第3土・日曜日に、その時期のものを売ろうというわけで、今月は新茶の試飲販売が行われていた。

 お茶の他には、まんじゅうや団子類が並べられている。例えば酒まんじゅう、よもぎまんじゅうは1個80円、柏餅やゆで団子、いも団子、ぺったん団子も1個80円とある。三色団子は1パック100円で、サーターアンダーギー(沖縄の揚げ菓子の一種)は1個40円だった。いずれも地元の人が手作りしたようだ。

  お茶は100gで500円、800円、1000円、1200円の4種類ある。4種類の価格のお茶が売られていた試飲しながら値段の違いは何なのかを聞いてみた。茶葉の大きさの違いなどがあるようだ。聞いた後に試飲しても味や香りの差など分かるわけではないのだが、お茶を買うときにはたいてい違いを尋ねることにしている。いろいろと説明をいただいたので「大分県産かまいり 宇目茶 かおり紫」(1000円)を買うことにした。パッケージの絵は地元の人が描いたものだという。

 購入したお茶は宇目農林産物直売所内でも売られている。チラシをよく見ると、うめぇもん市のチラシ「うめぇもん市」で販売されている商品は直売所に日常的に出されているもののようだ。チラシには「普段、直売所で販売しているお万十等をご自由に選んで購入できます」とある。ばら売りするところがミソのようだ。商品は同じでも販売方法を変える。これは重要だと思う。

 直売所に物を置くだけではなかなか売れない。説明する人がいないから、その価値も分からない。時に対面販売をやってみることはいいことだと思う。生産者が直接、消費者に自分の商品の説明をする。話をするうちに買おうと思う人も出てくるかもしれない。地道に、そして確実に情報発信する方法といえる。

 情報発信と言えば「佐伯市宇目ほたるマップ」というものがあった。宇目のホタルの名所マップ直売所は「道の駅宇目」などと同じ敷地内にある。直売所と道の駅の間には平屋の建物がある。ここが「無料休憩所」となっていた。中に入って、最初に目に飛び込んできたのがほたるマップである。こんなマップがあったとは知らなかった。聞くと、これはうめぇもん市を企画したのとは別の地域おこし協力隊員がつくったものだそうだ。

 佐伯市では本匠地域のホタルはよく知られている。本匠地域の番匠川とは違うが、宇目地域を流れる市園川、中岳川、北川も清流である。ホタルの名所があっても不思議ではない。ただ、これまで積極的に情報発信がなされてこなかったということだろう。

 道の駅宇目などがある国道326号線の交通量が減ったことは、この日誌で以前書いた。例えば2016年6月29日付佐伯支局長日誌「高速道路で泣き笑い」では以下のように書いた。

 「昨年(2015年筆者註)10月の交通量調査では国道326号は前年に比べ2割以上減少。その沿線の『道の駅宇目』はお客が大きく減った。右の写真の唄げんか大橋が完成したのは1993(平成5)年。これによって道路事情が改善され、宇目地域を訪れる観光客が急増した。道路整備が追い風になることもあれば、今回の東九州道のように向かい風になることもある」

 東九州自動車道の佐伯インターチェンジ(IC)と蒲江IC間が2015(平成27)年3月が開通し、大分、宮崎両県が高速道路で結ばれた。道の駅宇目の横にある無料休憩所しかも、佐伯IC-延岡南IC間は無料区間となっており、クルマは高速道路へと流れた。その結果、宮崎、大分両県の内陸部を走る国道326号の利用は減った。利用者減で道の駅宇目は苦境に陥った。ただ、最悪の時期は過ぎ、今は復活の途上にあるという。

 何とかしなければとの関係者の思いが合わさって少しずつ前向きに歯車が動き始めたようだ。宇目地域では、大分、宮崎両県にまたがる祖母傾大崩地域が6月にユネスコエコパーク(生物圏保存地域)に登録されることへの期待が大きい。地域おこし協力隊は無料休憩所をエコパークの情報発信拠点として活用する計画だと聞いた。「ほたるマップ」などはその手始めということだろう。

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