応募者ゼロで次の手は

3月にあった現地説明会には1業者が参加 大分県にとっては「大きすぎてつぶせない」。その活用策を求められた方には「大きすぎて使えない」ということだろうか。教育施設なのか商業施設なのか、はっきりせずに中途半端なところも敬遠された理由かもしれない。大分県は佐伯市蒲江に保有する県マリンカルチャーセンターの利活用策を広く募っていた。だが、24日の締め切りまでに提案がなかった。応募者ゼロである。このままでは困るので再募集となるだろう。ただ、県の施設であり、そうむやみと条件を下げるわけにもいくまい。打開策はあるのだろうか。

 3月14日、同センターの利活用に関心がある事業者を集めて現地説明会があった。説明会に参加したのは1事業者だった。県の担当者が施設全体を案内するのに同行して見学させてもらった(3月15日付佐伯支局長日誌「マリンカルチャー内覧会」)。

 結局、県に問い合わせがあったのは5件で、2事業者が説明を受けたが、正式な提案には至らなかった。元猿海岸から全景を望むなぜ、話がまとまらなかったのかの前に、まずはどんな施設なのかをおさらいしたい。県のホームページに施設仕様書がある。そこに地上4階、地下1階建ての本館棟など延べ床面積は1万8554㎡、敷地面積3万4534㎡とある。何か比較できるものはないかと探すと、大分市にできた大分県立美術館(OPAM)の床面積が1万6769㎡と書かれた資料を見つけた。

 県立美術館を大きさでしのぐ施設というわけだ。3月14日に見学したときも、その広さが実感できた。上の階から体育館が見えるしかも、ただ広いわけではない。さまざまな施設がある。本館棟の1階で最も広いのは展示室(海洋科学館等)の921㎡。次いで体育館の787㎡、マリンホール(多目的ホール)416㎡などと続く。2階には団体食堂(419㎡)、一般食堂(218㎡)、研修室7室(360㎡)などがある。3階は一般宿泊室25室(825㎡)、ロビー(759㎡)などがあり、4階に団体宿泊室(1536㎡)がある。一つ一つ挙げていくときりがない。多様な施設が備わっている。 

 さらに本館棟以外にもプール棟(391㎡)、プラネタリウム棟(294㎡)、レストハウス棟(512㎡)がある。

 収容人員は一般宿泊室90人、団体宿泊室408人、マリンホール350人、 視聴覚室72人、プラネタリウム100人、レストハウス56人、 和室大広間70人、プール更衣室400人などとある。

 このままでは日誌が施設紹介に終わりそうだ。3月15日付の日誌でも書いたが、この施設は大規模リゾート開発構想の中で生まれた。行け行けどんどんのバブル経済の落とし子とも言える。だからバブル崩壊とともに路線変更を余儀なくされた。それが海洋学習やスポーツなど教育活動の場として活用することだった。

 実際、現在も学校などのニーズは強い。施設仕様書にあるように利用料金が安い。夏休みなどの需要期には申し込み多数で抽選になる。外れた学校などは他をあたるしかない。逆に言えば繁閑の差が大きい。特に冬場などは大きく落ち込む。

 そんなことで考え出されたのが漁業者の網にかかったマンボウをプールで泳がせる試みだった。一時は人気を博したが、最近はマンボウの数が少なくなり、話題にも上りにくくなった。

 80億円をかけたりっぱな施設だが、その持てる力を十分に発揮しているとは言い難い。離れて見ると本館は船のように見えるというわけで県はこの施設を借りるか、購入して再生してくれる人や企業がないかと今回募集をしてみたわけだ。結果は手を挙げる事業者はいなかった。賃料は年間約1695万円。購入するなら約2億188万円。この金額が高かったのだろうか。説明を受けて利活用の提案をしなかった2事業者には当然、県は話を聞いているだろう。

 マリンカルチャーセンターは佐伯市の所有地に大分県が地上権を設定して建設した。一義的には県がより良い活用策を考えて大規模施設を生かす道を見つける責任がある。ただ、この施設がどうなるかは地元佐伯市にとっても大きな問題である。懸念するのは「これは県の仕事」と思ってあなた任せになることだ。利活用問題について地元としての考えをきちんと詰めて県に提案するようなことがあってもいい。

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