3市の移住定住支援策

津久見市の市街地を望む(昨年11月に撮影) 直前になって資料をFAXしてくることが多いのはなぜだろう。例えば「6月1日朝に臼杵市役所で『定住支援員』の辞令交付式を行う」との2枚の資料が届いたのが5月30日午後だった。もう少し早めに情報提供もできそうだが、どうだろう。定住支援と言えば津久見市から移住定住ポータルサイト「つくみ de Life」開設の資料をもらっていたことを思い出した。佐伯市も同サイト開設を計画している。都市から地方への移住定住促進は国の政策であり、佐伯、津久見、臼杵3市も当然、その流れに乗ろうとしている。

 津久見市に関して気になる資料があった。「大分県南部圏地域公共交通網形成計画(案)」の中にあったデータがそれである。計画案は今年4月に大分県と佐伯市、津久見市がまとめたものだ。

 ちなみに臼杵市は豊後大野市、竹田市とともに「豊肥圏」として同様の計画が作られている。現臼杵市を構成する旧野津町は旧大野郡にあり、合併して豊後大野市となった残りの旧大野郡の町村とつながりも深い。それで豊肥圏に入ったのだろう。ただ、旧臼杵市から見ると津久見市の方が断然近い。

 無理を承知の地域割りといった感じもする。ついでに言えば臼杵、津久見両市と佐伯市の間にも見えない壁がある。2016年3月30日付佐伯支局長日誌「大分都市圏の内と外では」で紹介した「大分都市広域圏」構想がそれである。

 大分都市広域圏の移住ガイドブック具体的には県都の大分市を中心に別府市、由布市、臼杵市、津久見市、竹田市、豊後大野市、日出町の7市1町が一つの都市圏として連携を強化しようというものである。その8市町で「おおいた都市広域圏移住ガイドブック」を作った。津久見市の移住定住ポータルサイト「つくみ de Life」でも紹介されている。大分県の地図が頭に浮かぶ人なら、すぐ分かるだろう。

 大分市以南で大分都市広域圏に入っていないのは佐伯市だけである。なんだか仲間はずれにされた感じだ。

 蛇足だが、大分県の組織で見ても、臼杵、津久見両市は中部振興局管内であり、佐伯市には南部振興局がある。かつては佐伯市と南海部郡の5町3村があったなごりだろう。今はすべて合併して新佐伯市になった。市町村の広域合併を受けて県の組織も思い切って見直してもいいと思うが…。話が組織や自治体の縦割りの話にそれてしまった。

 気になるデータという本筋に戻ろう。2010(平成22)年の国勢調査の結果があった。年代別の人口の転入・転出のグラフである。進学や就職で「15~24歳」の人口が大幅に転出超になっていることは佐伯、津久見両市とも同じである。

 ところが、佐伯市では「25~29歳」と「55~59歳」「60~64歳」「65~69歳」では転入超になっていた。同市ではUターンしている若者が多いのかもしれない。定年退職を一つのきっかけに戻って来ている人たちが結構いるのかもしれない。

 一方、津久見市はどうか。全年代で転入者よりも転出者が多い。同市のセメントと石灰鉱山という産業の柱は健在であり、同市が衰退の一途をたどっているとは思えない。転出超の原因は何だろう。

 佐伯市と津久見市の違いを示すデータはまだある。通勤・通学の移動実態との項目があった。佐伯市では就業者・通学者の9割が市内で通勤・通学している。これに対し、津久見市は市内への通勤・通学は7割にとどまり、臼杵市、大分市、佐伯市への移動が多いという。

 佐伯市内の高校に通う生徒の9割以上は市内の居住者だが、津久見市の高校では市内居住者は35%で臼杵市から通う生徒が最も多いという調査結果もあった。

 これは何を示すのだろう。佐伯市に比べて津久見市では市民のニーズに合う学校や仕事がないということか。そうなれば確かに市外に出て行こうという動機は強くなるだろう。では、佐伯市では転入超となっている60歳前後でも転出超となっているのはなぜだろう。定年後に暮らしたいと思わせる生活環境になっていないということなのか。

 移住定住に積極的に取り組んでいく中で津久見市が抱える課題がはっきりと見えてくるだろう。

 最後に移住定住支援ポータルサイトの開設を計画する佐伯市の話を。市議会の6月定例会に提出される補正予算案の中に「さいき暮らし魅力発信事業」がある。事業費は315万円。佐伯市の良さや住みやすさを発信することで移住定住を促す事業という。柱は三つあり、一つがポータルサイトの開設である。二つ目は移住定住サポートガイド。「移住定住に必要な住まい・仕事・子育てなどの情報をまとめた冊子を作成する。最後は若者によるふるさと情報発信となっている。

 「ふるさと情報発信」は佐伯市の自然、食、イベントなどをツイッターやインスタグラムなどSNSで若者に発信してもらおうという取り組みだという。何でもやってみることだと思う。そして、続けることが大切だと思う。この日誌もそんな気持ちで毎日何とかやっている。

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