定住支援員と集落支援員

県道36号は栗の花が満開に 津久見市と佐伯市を結ぶ県道36号は栗の花が満開である。午前中は東九州自動車道で臼杵市に、午後は県道36号で津久見市に出かけた。臼杵に行ったのは5月31日付日誌で書いた「定住支援員の辞令交付」のためだ。津久見に行ったのは市長定例会見があったから。会見の話題の一つが定住促進対策だった。地方はどこも移住定住促進の大合唱である。ところで定住支援員とは何か。移住定住支援の仕事を集落支援員が担っている地域もある。どちらも総務省の制度なのだが、現場でもその違いはあまり意識されてないようだ。

 市外への転出者が転入者を上回る「社会減」を何とか食い止めたい津久見市。会見資料の中に「定住促進のための住宅対策」と書かれた1枚の紙があった。内容は簡単なメモ書きのようなものだ。

 若者や子育て世帯が住みやすい町にするにはどうすべきか。定住促進のために実施済みの事業が「移住定住等補助金」①移住者居住支援事業補助金②新婚世帯・移住子育て世帯家賃補助金③新築奨励・市内消費喚起事業(新築空き家バンク登録物件購入対象)-とある。

 そして、近々にも実施したいと検討しているのは市有地の売却価格の引き下げである。売りに出されている土地は津久見市の移住定住ポータルサイト「つくみ de Life」の市有地販売情報で公開されている。子育て世帯など向けに割引制度を導入することでマイホームを建てやすくしようというものだ。

 その先の検討事業は多岐にわたる。例えば企業向けに独身寮や社宅の建設を支援できないか検討したいという。津久見市民憲章には3万人の里づくりの文字が津久見市の問題は宅地として適当な土地が不足していることだ。同市役所の本館玄関前に津久見市民憲章がある。その1項目に「理想的な定住人口3万人の里づくりを目指す」とある。現在同市の人口は約1万8000人でなお減少が続いている。

 この流れを食い止めるためには住宅適地の確保がカギを握る。簡単に言えばJR津久見駅を中心とした市街地再開発である。地域再生計画と中心市街地活性化計画を策定するための協議会をなるべく早急に設けたいと市長は述べた。大胆な中心市街地再生プランができれば面白い。

 移住定住の取り組みでは臼杵市が一歩先を行っている。市の移住定住制度を使って市外から移り住んだのは2016(平成28)年度で77世帯203人だった。この流れを確実にし、うまくいけば太くしたい。という狙いで臼杵市が臨時職員として「定住支援員」1人を採用した。

 移住者が抱く不安、不満などが分かり、地域の事情にもある程度通じている。そんな人物が求められ、採用されたのはこの日誌でも何回か登場した二宮英治さんだった。二宮さんは夫婦で2015(平成27)年4月に福岡県久留米市から臼杵市に移り住んだ。

 ところで定住支援員とはどんな制度か。総務省の定住支援員の説明資料臼杵市の担当者に聞くと15年度に総務省が創設したものだという。総務省のホームページに資料があった。移住希望者や移住者への支援のために「移住コーディネーター」や「定住支援員」を設置した自治体には、その報償費や活動費を対象に国が1人当たり350万円を上限に特別交付税措置をする。要するに国が費用を払うということだ。

 大分県内では宇佐市がいち早く定住支援員を採用。いずれも移住経験者で現在3人。定住支援員を置いた結果、同市の移住定住制度を使った市外からの移住者は14(平成26)年度の18世帯46人から15(同27)年度は52世帯134人に、16(同28)年度は47世帯114人に、とそれぞれ大きく増加した。同市は定住支援員の効果は大きいという。

 定住支援員は県内では宇佐市と臼杵市にしかいないのか、というと少し違う。総務省の集落支援員の制度概要例えば竹田市には定住支援員・移住コンシェルジュが4人いる。国から特別交付税が手当されるのも同じだが、4人は19人いる「集落支援員」として採用された。集落支援員も総務省が作った制度である。地域の実情に詳しく、集落対策の推進に関してノウハウ・知見を有した人材が、市町村職員と連携し、集落への「目配り」として集落の巡回や状況把握を行うと総務省の資料にある。

 集落支援員にも1人当たり350万円を限度に国の特別交付税措置がある。現実には集落支援員制度が移住定住促進のための支援にも使われ、総務省もそれを認めているようだ。要は地方への移住定住が進めば、制度の目的は達せられるということか。ただ、集落支援員としてではなく、定住支援員として採用した方がすっきりとする気がする。

 

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