大手前開発計画の今は

市民のアイデアを出し合うワークショップが開かれた 新たな公共施設を造るに当たって重要なのは、将来の施設・設備の更新費用を確保する方法を考えておくことではないか。議論をする人たちをながめながら、そんなことを考えた。12日夜、佐伯市で市民が意見、アイデアを出し合うワークショップが開かれた。意見が求められているのはこれから建設される「大手前まちづくり交流館」(仮称)などの運営について。豊後佐伯城址の前に広がる中心市街地・大手前地区再生の切り札となるものだ。

 大手前地区の再開発計画について、この日誌で紹介したのは随分と前になる(2016年9月2日付佐伯支局長日誌「覆水は盆に返るか?」)。この時は交流館の延べ床面積が6400㎡と説明されたような記憶がある。

 大手前まちづくり交流館の手前には「大手前広場」(仮称)を整備し、道路を挟んだ反対側には情報発信施設や商業施設、野外劇場前広場(仮称)や駐車場が設けられる。人けがなくなりすっかり寂しくなった中心部に人を呼び戻す起爆剤となることが期待されるプロジェクトである。

 ここに至るまでに紆余曲折があったが、2015(平成27)年7月に基本計画が策定され、翌16(同28)年3月から基本設計に入った。そして、高校生もワークショップに参加今年1月に実施設計に着手。ここまでは順調に来た。計画具体化とともに施設の管理運営で広くアイデアを募るために「市民ワークショップ」を開催することにした。高校生も含めて集まった市民は60人。3月23日に全体説明会があり、既に2回のワークショップが行われ、12日が3回目だった。

 大学生がいない地方では高校生は何事をやるにしても欠かせない存在といえる。ワークショップでは一般が「商工・観光・情報通信」「子育ち」(註「子育て」ではない)「食育」「市民協働」各1班と「文化」が2班の計6班。これに対し「高校」も2班に分かれるだけの人数がいる。多くの高校生に10年後の利用を考えてほしいとの趣旨のようだ。

 ワークショップの1、2回目はどんな事業ができるかのアイデアが出されたという。誰が、何を、いつやるのか。オープン前か、オープニングでか、その後か。主催者は市民か市(行政)か、市民と市の共催か。たくさんのアイデアを今整理中との説明があった。

 そして、3回目は利用規則についての議論がなされた。12日は利用規則について話し合った検討する項目は開館日、開館時間、利用時間区分、利用料金、予約方法、飲食の可否-などである。新たな施設の建設を想定して、いろんなことを考えてみる。これは大事なことだ。要は来年着工する予定の新たな施設に関心を持ってもらい、愛着をもってもらう。そうすることで施設の利用回数が増えることも期待できる。

 できればワークショップに参加している市民だけでなく、もっと多くの人に関心を持ってもらいたい。市としてはそう思っているだろうが、どうだろう。ワークショップでの議論やそこで出されたアイデアはどれくらい広報されているのだろうか。あまり見聞きしない気がする。もう少し市民の関心を呼ぶ工夫が必要だろう。

 個人的には施設や設備をどう更新していくかに関心がある。というのも佐伯市蒲江にある大分県マリンカルチャーセンターを見学したことが大きい。県の施設である同センターの〝身売り話〟は3月15日付の「マリンカルチャー内覧会」と5月26日付の「応募者ゼロで次の手は」の2本の佐伯支局長日誌で書いた。

 1992(平成4)年に完成した同センターは有名建築家の設計で最新鋭の設備などにもお金をかけた。しかし、主要な設備は基本的に更新されることなく25年を経過し、プラネタリウムなどはスタッフが苦労しながら日々の運営にあたっているとの話だった。

 民間企業ならば利益を上げて、その中から新たな設備投資をする資金を捻出する。分譲マンションを購入すれば修繕積立金が毎月集められ、将来の大規模改修に備える。公共施設の場合はどうなのだろう。末永く使われることを想定するなら、施設・設備更新のための積立金をどうやって確保するかを考えるのは当然だろう。

 佐伯市の大手前まちづくり交流館の場合はどんな仕組みが考えられているのだろうか。公共施設の利用料金は安くあるべしとの議論になりがちだが、どうだろう。マンションの修繕積立金と同様の発想で、将来に備えるための負担を市民、利用者にお願いする。そんな議論があってもいいと思うのだが…。これは素人考えか。

 

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