我が事丸ごと共生社会

活魚の競りから始まる間越の朝市 18日は「父の日」である。この日誌も休んでおいしい魚で一杯やろうと、間越(はざこ)の朝市に行った。毎月第3日曜日に佐伯市米水津の間越地区で行われる朝市については、この日誌で何回か取り上げている。鮮魚の販売に先立って活魚の競りが行われる。そこでとりあえず1匹確保した。やるべきことをやり、これで日誌を終えてもいいが、気になったことを一つだけ。厚生労働省の「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部のことだ。

 そんな組織があり、今年2月に「『地域共生社会』の実現に向けて(当面の改革工程)」を公表していた。そんなことを今頃になって知った。

 きっかけは16日の津久見市での取材。同市で在宅医療・介護連携を進める大分県のモデル事業が実施される。ついては同事業のスーパーバイザーが市役所を訪問するというFAXが支局に届き、取材に出かけたのだ(6月16日付佐伯支局長日誌「地域ケア会議とは何か」)。

 事前に県庁の担当課に電話した。どんな事業なのか。基礎知識を得るために資料を送ってもらうことにした。ついでに介護保険制度についてもおさらいすることにした。

 そして、介護保険法の改正案が5月の国会で可決、介護保険法改正案のポイント成立していることを知った。超々高齢社会の現場にいながら、それを支える制度が今どうなって、これからどうなろうとしているのか、残念ながら関心が向いていない。津久見市のFAXが良いきっかけになった。さて、改正された法律は介護保険法だけではないようだ。「地域包括ケアシステムの深化・推進」とあって3本の柱が掲げられている。

 一つは自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化等の取組の推進(介護保険法)。二つ目は医療・介護の連携の推進等(介護保険法、医療法)。三つ目は地域共生社会の実現に向けた取組の推進等(社会福祉法、介護保険法、障害者総合支援法、児童福祉法)-とあった。

 地域共生社会とはどんなものなのか。

「我が事・丸ごと」の考え方は 「『地域共生社会』とは、制度・分野ごとの『縦割り』や『支え手』『受け手』という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が『我が事』として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて『丸ごと』つながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会を目指すものである」-。

 厚労省の「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部の資料にそう書いてあった。

 分かったような分からないような話である。具体的に何をするのか。①地域課題の解決力の強化②地域丸ごとのつながりの強化③地域を基盤とする包括的支援の強化④専門人材の機能強化・最大活用-だと厚労省の改革工程にあった。

 「我が事・丸ごと」を言い換えれば「自助・互助・共助・公助」である。大都市圏への人口集中、核家族化、高齢社会の進展に対応して高齢者の生活を社会全体で支えるための制度として介護保険が創設された(公助)。しかし、介護保険制度は限界に来ている。だから、自助とともに互助、共助の仕組みを再構築しなければならない。

 「我が事・丸ごと」とはそういう意味であることは分かったが、その言葉にどこか国が地域に責任転嫁をしようとしている印象がぬぐえないのだ。「地域のことは地域で解決を」と言われたら正面から反論することはできない。問題はそのための仕組みや道具を国がきちんと用意しているかである。「我が事としてやるには、こうした仕組み、こうした道具が必要」と地方が声を上げると、国は必ず対応するかたちになっているのか。自助、互助。共助の強化のかけ声が公助の欠陥を補うためだけのものだとしたらどうか。もう少し調べる必要がある。

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