タバコ畑と見慣れぬ獣

緑の中にちらほらとピンクが見える 国宝臼杵石仏横にある蓮畑を見に行った。7月9日から「第5回石仏の里 蓮まつり」が始まる。約1万本の蓮があり、8月中旬まで花が楽しめるという。蓮まつりの催しについては改めて紹介したい。今回は蓮畑がある臼杵市から佐伯市に帰る途中で見かけたものの報告を。葉タバコ畑の手前で見慣れぬ動物を見た。タヌキかなと思ったが、どうも違う気がする。道路脇にいるのを写真に撮ったが、近づく大型トラックを見て逃げていった。あれは一体なんという獣なのか。 

  旧臼杵市にある臼杵石仏から内陸の旧野津町(現臼杵市野津町)に向けて県道633号(川登臼杵線)を走る。途中に県道204号線(津久見野津線)がはさまって最終的に国道10号に出る。

 見かけない動物を見たのは旧野津町に入ってまもなくだったと思う。道路脇にいたこの動物は何か県道204号の道路脇で動くものを見た。クルマを止めて運転席からカメラを構えた。クルマの通りも少ないし、向こうは別に警戒している風でもない。こちらに顔を向けた時にと思って、チャンスをうかがっていると、反対車線から大型トラックが走ってくるのが見えた。その大きな音に驚いて、その動物は逃げ去ってしまった。

 山の中でサルやイノシシを見たことがある。シカはない。害獣としてタヌキ、ハクビシン、アライグマ、キツネ、モグラなどの名前を耳にするが、田畑や山地、住宅地で実際にお目にかかったことはない。おそらく夜行性だからだと思うが、この動物は昼前にのそのそと歩いていた。動植物の知識が乏しいのでこれ以上分からない。

 もう少し走っていくと再び珍しいものを見た。葉タバコ畑が目の前にあった葉タバコ畑である。野津は大分県内の葉タバコの主要産地で、葉タバコは野津地域の代表的な農作物と聞いたことがある。しかし、葉タバコ栽培は減り、転作作物としてサツマイモの「甘太(かんた)くん」とピーマンの生産が盛んになったとも聞いていた。

 JAおおいたの広報誌「JOIN」の2012(平成24)年6月号に「『甘太くん』大躍進!!~平成23年産 販売額2億円突破~」の見出しが躍る特集があった。10(同22)年の1億円突破に続き2年連続の大躍進とあり、さらに12(同24)年の葉タバコ廃作に伴い、生産者も栽培面積も大幅に増える見通しと書かれていた。

 「甘太くん」とは、サツマイモの品種の「べにはるか」を一定温度以下で40日以上貯蔵したもので、糖度検査を実施し、その甘さが保証されたものだそうだ。甘太くんを増産していくには大規模な貯蔵施設が欠かせない。これを葉タバコ転作の支援制度を使って整備した。今、野津での甘太くんの生産量はどれくらいになっているのだろう。葉タバコに代わる新たな柱に成長しているのだろうか。

 葉タバコ廃作の記事を検索してみると、11年10月14日付西日本新聞大分版があった。記事には、葉タバコの栽培面積などの推移日本たばこ産業(JT)が国内市場の縮小に伴う需給調整のため全国の農家に募った廃作について、県農業会議(井上清志会長)は、県内農家のうち約6割が廃作に応じたとある。そして、井上会長は「廃作面積も5割近くになった。支援の幅を広げてほしい」と訴えた-とあった。

 全国たばこ耕作組合中央会のホームページにあったグラフを見ても12年にガクンと落ち込んでいる。当時のJTは12年産の国産葉タバコの耕作面積は11年産に比べ3割強少ない9450haになるとの見通しを発表していた。葉タバコ産地は6年前に激震に見舞われていた。たまたま見かけた葉タバコ畑が頭の片隅に残っていた記憶を呼び戻してくれた。

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