一等地を市が買うの?

5月3日に撮影したJR大分駅前 一等地を市が買うの、なぜ?どうやら2019年のラグビーワールドカップ(W杯)のためのようだ。佐伯市の話ではない。大分市の佐藤樹一郎市長がJR大分駅前のパルコ跡地(約4300㎡)の取得に前向きの姿勢を示した、と新聞各紙が28日付朝刊で報じた。担当地域でもないから、詳しいことは分からないが、少し驚いた。スケールは違うが、大分駅前は東京なら銀座、福岡市なら天神というように、その都市を代表する「顔」ではないのか。そこで買い手が付かなくて行政が購入せざるを得ないとすればちょっと寂しい話である。

 冒頭の写真は5月3日に撮影した。市長が取得の意欲を示した土地には「大分中村病院 新病院建設予定地」の大きな看板があった。ここにはかつて大分第一ホテルと大分パルコが入っていた大型ビルがあった。

 過去の新聞記事を見ると、このビルを所有する会社が2012(平成24)年に大分中村病院に用地を売却し、ビルは解体されて駐車場として一時利用されていた。

 ところが、今年5月に大分中村病院が移転新築を断念すると発表し、新たな買い手を探すことになった。

 すると、6月20日に大分商工会議所と大分市商店街連合会が市に要望書を提出し、同商議所の姫野清高会頭が19年のラグビーW杯日本大会などを視野に「大分の玄関口にふさわしい施設の整備を検討してほしい」と申し入れたという。これに対し、佐藤市長が土地取得も排除せず検討したいと答えた、と記事にあった。そして、27日の定例記者会見で改めて取得に意欲を見せたというわけだ。

 佐伯市では今、城山(豊後佐伯城址)の麓にある中心市街地の大手前地区で再開発計画が進んでいる。大手前開発計画のイメージ図用地を取得し、核となる施設の「大手前まちづくり交流館」(仮称)や大手前広場(仮称)を整備するのは市である。大手前地区の再開発計画は過去にいろいろあり、以前の構想を白紙に戻した上で、現在の計画がつくられたのだそうだ。市の施設建設に反対もあったが、結局は市がやるほかないとなった。

 地方都市で民間主導といっても現実には難しい。行政主導で新たな〝箱もの〟をつくったとしてもシナリオ通りに中心市街地が再生するのか疑問は残る。それでも「他に選択肢がない」というのが本音である。

 大分市も同じなのだろうか。民間で手を挙げるところがなく、他に選択肢がなくなって行政が取得することになったのか。大分市内外の投資家、ビジネスマンにとって残念ながらJR大分駅前は魅力のない場所なのか。

 19年のラグビーW杯を取得の理由にするのはいかがか。大分の玄関にふさわしい施設とは何かを考え、整備計画をこれから考えていくとすれば、そもそも19年には間に合わないし、そんな近視眼的な考え方をするのもおかしかろう。

 さらに問題なのは今が土地の買い時なのか、である。日銀の異次元緩和が4年以上続き、世の中にじゃぶじゃぶに溢れたカネが不動産価格や株価を下支えしているのは紛れもない事実である。異例の金融政策がこの先ずっと継続されるのなら地価はさらに上がっていくかもしれない。

 だが、異次元緩和の転換点が意識され始めると、地価、株価にも調整局面が訪れるのではないか。先行きをよく見極めないと、結局は高値づかみをさせられることにもなりかねない。

 余計なお世話だが、少し気になる話だったので、この日誌でも取り上げてみた。

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