公民館図書室を大改装

蒲江中央公民館の図書室 日誌のネタになるのでは、と言われて佐伯市蒲江まで出かけてみた。目的地は蒲江地区公民館。ここで図書室の大改装が進行中だった。佐伯市では、公民館にある図書室をもっと利用してもらおうと、活性化協議会を設けて昨年度から市内の公民館図書室の改造を始めた。図書館の目印となる案内板の設置もその一つ。蒲江地区公民館では地元の大分県マリンカルチャーセンターにやって来るマンボウと人魚たちが迎えてくれる。

 公民館は佐伯市内には25ある。このうち旧佐伯市には11、旧上浦町に1、旧弥生町に1、旧本匠村に2、旧宇目町に1、旧直川村に1、旧鶴見町に1、旧米水津(よのうづ)村に1、旧蒲江町に6ある。

 蒲江地区公民館の正面には「蒲江中央公民館」の文字があった。「中央」と呼ばれるだけあってホールなどが併設されており、こぢんまりとした公民館というよりちょっとした文化会館といった趣である。それは上浦や弥生なども同じ。1市5町3村が合併する前はそれぞれの町村の拠点施設の一つだったはずだ。

 1市5町3村が合併して10年以上が過ぎた。旧町村の公民館の利用状況はどうだろう。傷みが来ていないか、補修はされているか。図書室の利活用は。そうやってみていくと課題が数多く見つかったという。

 図書室自体が狭い、蔵書数が少ない、利用促進を積極的に呼びかけていない-など。利用者が少ない結果、新たな手が加えられずに極端に言えばほったらかしのような状態になっていたようだ。

 古くなった本は捨て、新しい本を入れるなどの改善策は当然として図書室に親しみを持ってもらい、足繁く通ってもらえるようにするにはどうすればいいか。図書室の雰囲気を大きく変えることが欠かせない。そんなことで図書室板の「劇的ビフォーアフター」が始まった。

 図書室改装の中心になっているのは活性化協議会のメンバーの一人で、幼稚園教諭OBの山本さんである。蒲江地区公民館の図書室が改装中だった山本さんは月に15日間、専任支援員として地域の公民館を巡回し、改善活動を続けている。6月28日は蒲江地区公民館にいた。この日は午後から児童書の配置換えを行っていた。子どもの本を図書室の入り口に近いところに移し、寝転んでも読めるように下にマットレスを敷いた。

 写真左側に風船を持った動物が列車に乗っている立体画が見えるだろうか。タイトルは「春らんまん列車」。壁には他に「赤ずきんちゃん」「クローバーの妖精」「不思議の国のアリス」が貼られている。マンボウと人魚の案内表示とともに親子で入りやすい雰囲気づくりを心掛けている。

 山本さんが昨年度に改装を手がけたのは旧町村部の12施設。その中にはこの日、新たな作業をした蒲江地区公民館も入っている。というのも改装作業は一度では終わらないからである。人手や資金の問題がある。

 図書室改装は佐伯市が活性化協議会に業務を委託し、作業は主に山本さんが担っている。予算は山本さんの人件費を含めて年間160万円。手作りでできるところは可能な限りやっている。

 分かりやすいようにと作った案内表示にも工夫がある。蒲江はマンボウと人魚だったが、カブトムシの木登り競争大会が行われる直川は「昆虫の里」、ととろのバス停がある宇目は宮崎駿作品の「となりのトトロ」とそれぞれに地域性を持たせたりしている。

 壁面を物語で飾るのも蒲江と同じ。弥生では「ジャックと豆の木」や「かぐや姫」なでを、米水津では「ハロウィン」などが描かれている。このほか、部屋が暗いというところにはLED照明器具を追加したりもした。

 宇目と弥生では図書室に一杯50円で飲めるコーヒーコーナーも開設した。大げさに言えば、これまで放置されてきた図書室に再び生命を吹き込む試みとも表現できる。

 弥生地区公民館では改装を機に利用者も増え、職員も読み聞かせなどの催しを積極的に企画しているそうだ。つい何でも新しいものをと考えがちだが、地方の自治体ではなにせ先立つものがない。そこで、あるものに手を加えて使いやすくし、地域の交流拠点としての機能を回復させる作業が欠かせない。図書館活性化事業は大切な試みだと思う。

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