イルカサミットと台風

津久見市民会館で開かれたイルカ研究サミット 台風3号の直撃で4日に津久見市で開かれた「イルカ研究サミット in つくみ」も予定が狂ってしまった。6月20日付佐伯支局長日誌「つくみイルカサミット」で紹介した第1部の基調講演が中止となり、昼からの2部、3部だけとなった。風雨も午前11時台が一番強かったようで、午後1時に佐伯市を出る時には雨もやんでいた。台風がさっと通り過ぎたことで関係者もほっとしただろう。さて、このサミットの目的は鯨類研究で官民学の連携を強めることだった。

 6月20日の日誌でも紹介したが、このサミットに合わせて日本鯨類研究協議会の通常総会が開かれた。日本鯨類研究協議会総会も同時に開かれたこの協議会はどういうものか。ネットで検索すると、毎日新聞の2016(平成28)年1月29日の記事が出てきた。それによると、和歌山県太地町の町立くじらの博物館などイルカを飼育する全国各地の水族館・園約30施設が今月(16年1月)、イルカ情報の交換などをする「日本鯨類研究協議会」を設立した-とある。

 毎日新聞の記事は続く。日本動物園水族館協会(JAZA)傘下には以前、追い込み漁で捕獲したイルカの購入順を決める鯨類会議があったが、JAZAが追い込み漁によるイルカの入手を禁じたため、昨年12月に解散した。会議メンバーだった大半の施設は今回の協議会に参加した-のだそうだ。

 JAZAが禁止したのは、イルカの入手方法をめぐり世界動物園水族館協会(スイス)からJAZAが会員資格を停止されたためだった。2015(平成27)年のことだ。世界協会は、日本協会の会員施設が、和歌山県太地町の追い込み漁で捕獲されたイルカを入手していることを問題視していた-。そんなことでイルカを飼育している水族館では本格的に繁殖に取り組まざるを得なくなった。

 津久見市にとっては悪い流れではない。つくみイルカ島をイルカ研究・繁殖の拠点として売り出すチャンスである。5月14日付佐伯支局長日誌「イルカの赤ちゃん誕生」で書いたが、2011(平成23)年4月のイルカ島開業以来という待望の赤ちゃんが誕生し、実績ができた。

 イルカ島はもともとは海の釣り堀だった。それを津久見市と大分市の水族館「うみたまご」を運営するマリーンパレスなどが約3億円かけて整備。マリーンパレスが運営し、当初は「うみたまご」のイルカの予備軍の飼育とトレーニングを目的としていたという。

 イルカ島ではイルカのショーやふれあい体験が楽しめる。しかし、5月14日に生まれたイルカの赤ちゃん海の生け簀を使った国内最大級の施設としてもっと活用できるはずというわけで、津久見市では「イルカ繁殖研究・桜観光の全国展開と『まちの稼ぐ力』創出事業」を提案し、国の地方創生推進交付金を得た。それで宮崎大学、愛媛大学、岡山理科大学などの研究がイルカ島で始まったという。

 津久見市の川野市長はイルカ島に加えて隣接する四浦漁村センターや近くの旧仙水小学校なども研究拠点として活用できないかと考えている。

 台風3号によってイルカサミットはプログラムの変更を余儀なくされた。ただ、津久見市にとってはそのダメージは最小限に抑えられたのではないか。イルカサミットは午後4時には終了し、全国の水族館関係者はイルカ島の見学に向かった。

 この中にイルカ島は初めてという人はどのくらいいただろうか。多くの専門家にイルカ島を見てもらい知ってもらう。まずはこれからだ。幸い台風はあっという間に過ぎ去った。イルカ島をPRするという意味で、サミットを開いた目的は相当程度達せられたのかもしれない。

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