ぶんご丼街道が10周年

臼杵市で開かれた日豊海岸ツーリズムパワーアップ協議会総会 最後の雑談がなければ、この日誌も書けなかった。日豊海岸ツーリズムパワーアップ協議会の2017(平成29)年度総会が7日、臼杵市民会館で開かれた。佐伯と津久見、臼杵の3市の観光協会でつくる組織で主な事業は一つである。秋から冬にかけて3市の飲食店が参加して行う「日豊海岸ぶんご丼街道事業」を主催すること。だから、総会も形ばかりに進み、すんなりと終了。その後、折角みなさんが顔をそろえたからと会長の一言で、この日誌のネタになる「浦めし屋」の話などが出てきた。

 雑談の口火を切ったのは佐伯市観光協会の橋本会長。「25年間言い続けている」という持論を披露した。きちんとメモを取ってなかったので、おおざっぱな書き方になるが、昔は豊後水道が三途の川だったという言い伝えがあるらしい。

 亡くなった人の霊はそこを渡ろうとするが、体力がいる。腹が減っては渡れないというわけで、霊がいったん戻ってきて浦々にある飯屋の戸をたたき、ごちそうを食べて、あの世にいったのだそうだ。

 そんな話を材料にして橋本さんは以前「冥土の土産御膳」と銘打ったメニューを考案したらしい。西日本新聞に掲載されると福岡から問い合わせが殺到したとかで、記事データベースで検索してみると確かにあった。

 2009(平成21)年5月15日付朝刊で紹介されていた。橋本さんが経営する佐伯市蒲江の民宿「まるに丸」で1人前1万円で提供。中には伊勢エビ、チョウザメ、ウニなどの刺し身や磯物、アワビのステーキに加え、「飲めば三途の川を上手に渡れる」との言い伝えがある地元の小川の水を使って栽培した野菜を添える-などと記事にある。

 「死ぬ前に一度食べたい」と思わせる豪華料理を出すことで、蒲江の活性化につながればとの思いで考えたのだそうだ。話題作りと言えばそれまでかもしれないが、言いたいことはこのパワーアップ協議会でも新しいことにもっと取り組むべきであるとの提案である。

 ちなみに来年、大分県で開催される国民文化祭で佐伯など県南地域でテーマにするのが「浦」。それに引っかけて「浦めし屋」の提案をしたのだという。

 丼街道のキャンペーンも今年で10周年になる。継続は力で16(同28)年度は初年度の08(同20)年に次ぐ実食数3万9849食を売り上げたという。しかし、中身をよく見ると、佐伯市の飲食店は販売数を大きく伸ばしているが、臼杵、津久見両市は前年度比で減少した。年度ごとのばらつきもある。

 「丼」は定着したが、もう一工夫が必要というのは誰しも感じるところだろう。パワーアップ協議会もかつてはいろいろと試みていた。5月2日付佐伯支局長日誌「津久見の海岸通を歩く」で紹介した。

 この日誌で紹介したのは津久見市出身の伊勢正三さんが作詩作曲した「海岸通り」のことだった。同協議会が、日豊海岸をPRするイメージソングとして同市出身の歌手川野夏美さんに歌ってもらうことにした。同協議会の公式ホームページ「りあす」で無料ダウンロードできるようにした。

 08年のことである。今は国土計画協会と合併した当時の高速道路交流推進財団が主催した事業でパワーアップ協議会は最優秀賞を受賞し、10年度まで3年間支援を受けた。5月2日の日誌でも書いたが、支援の終わりに合わせて協議会の事業は縮小されていった。ただ、パワーアップというりっぱな名前は残った。先立つものがなくなったから仕方ないかもしれないが、丼街道10周年の節目にもう一度考えてもらえればうれしい。パワーアップの看板に負けないようないろんな挑戦をしようかと-。

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