きらすまめしとカレー

郷土料理講座の看板があった 臼杵市中心部にあるサーラ・デ・うすきで「うすきの郷土料理講座」が開かれるというので行ってみた。21日が第1回なのだそうだ。老舗料亭の料理人が実際に作ってみせるのは「ごまどうふ」と「きらすまめし」。過去に同じような試みがあっただろう。改めて開く意味は何なのか。そんなことを考えたが、サーラ・デ・うすきにある施設「つまみキッチン」を市民にPRすることも目的かもしれない。とはいえ、地元の料理や食材を折に触れて再認識することは悪いことではない。

 臼杵を代表する魚「カマガリ」も数年前までは、そのおいしさが地元でもあまり知られてなかったそうだ。にわかに信じ難いが、案外と「灯台もと暗し」だったのかもしれない。

 そんな話が書いてある本が「魚で、まちづくり!-大分県臼杵市が取り組んだ3年間の軌跡」(行平真也著、海文堂出版)。特産の魚を使ったまちづくりの記録6日にあった臼杵市長定例会見で配られた資料の中にあった。行平さんは現在山口県にある大島商船高等専門学校商船学科准教授。以前は大分県庁に勤め、臼杵市担当の水産業普及指導員として3年間、同市の水産振興などに取り組んだ。

 カマガリ(クログチ)について書かれているのは第3章「特産魚カマガリの知名度向上の取り組み」。どんな料理にでも合い、おいしいことから知る人ぞ知る名魚で、臼杵市では古くから食べられていた。だが、臼杵市外では知名度が低く、同市のお隣の大分市でもほとんど知られてなかったという。

 大分市に住んでいた筆者が漁業者から話を聞き、自分の舌でカマガリを味わい、そのうまさに惚れ込んだことからカマガリ再発見が始まる。まずはカマガリのおいしさを知らなかったという市職員を巻き込み、カマガリを使った海鮮丼と加工品の開発に取り組み、海鮮丼は「カマガリ炙(あぶ)り丼」として完成を見た。

 そして、2014(平成26)年度を「カマガリ元年」と名付けて大々的にカマガリを売り出すことになった。

 この話は改めて紹介する機会があるかもしれない。個人的には驚きである。カマガリのうまさを知らない臼杵市民がいるとは信じ難い。ただ、それもあり得るかなと思わないこともない。

 個人的なことを言えば、最近では地ダコやウチワエビ、ワタリガニ、ムツ、ウルメイワシ、メバル、ケンサキイカなどを買って来て、刺し身や何やらにして楽しんでいる。その度に佐伯には季節季節のおいしい海の幸があるのに、なぜもっとPRしないのか、いつも不思議に思う。

 ただ、種類が多くても量がそろわないとスーパーなどには並びにくい、あっても肉に比べて高いということもあるかもしれない。佐伯小学校が魚食普及のために給食で「尾頭付きの日」を設けているとの話はこの日誌でも紹介した。市民に対しても意識的に魚をPRしないと魚離れが止まらないかもしれない。

 臼杵もこれと同じで身近にあるものの魅力にはなかなか気づかないのかもしれない。話は長くなったが、郷土料理、伝統料理についても同じで、試食会では黄飯も添えられた長く住んでいても意外に知らないことはあり得る。「きらすまめし」は魚の刺し身とおからのシンプルな料理だが、そこにはちょっとしたコツもある。料理人の話を聞くことは楽しい。調理を見た後は試食会。ごまどうふときらすまめしに郷土料理の黄飯が添えられた。

 サーラ・デ・うすきは昨秋、「うすきの台所」として改装オープンした市の施設である。調理場を取り囲んで調理作業を見守るつまみキッチンは調理場と会議室が一緒になったスペース。参加者は会議室のテーブルに荷物を置き、調理場で実演を見る。そして、その後は会議室の椅子とテーブルで試食を楽しんだはずである。りっぱな施設だが、どれくらいの頻度で使われているのだろうか。

 さて、試食会には加わらずに佐伯市直川に向かった。7月14日付佐伯支局長日誌「佐伯ダムカレーの御披露目式」で紹介したダムカレーラーメンを食べに行ったのだ。ダムカレーラーメンを食べた直川カントリー俱楽部にある「レストランコリーヌ」が「ダムカレーラーメン」(900円)と「ダムカレーつけ麺」(800円)を21日から売り出した(要予約)。佐伯も臼杵も「食」を柱として観光客をもっと呼び込もうとしている。伝統料理、郷土料理を大切にしつつ、新たな食に挑戦することも重要なことだ。

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