大分都心の公園事情は

焦点となった駐車場からJR大分駅を望む 行政の進め方としておかしいのではないかと個人的には思うのだが、大分市ではそんな声は出ていないようだ。おかしいと思うこちらの方がおかしいのかもしれないが、どうも納得できない。何のことか。大分市がJR大分駅前の空き地(現在は駐車場で利用)を購入して公園にする話である。なぜ、公園が必要なのか。大分都心には公園はないのだろうか。まずは現状を知るために現場に行ってみることにした。

 大分パルコなどがあった土地を購入した大分中村病院が病院の新築移転を断念したと発表したことで、大分市長の言動がにわかに注目を集めることになった。6月28日付佐伯支局長日誌「一等地を市が買うの?」でも紹介した。

 その日誌の一部を以下に引用してみる。

 今年5月に大分中村病院が移転新築を断念すると発表し、新たな買い手を探すことになった。

 すると、6月20日に大分商工会議所と大分市商店街連合会が市に要望書を提出し、大分市の取得方針を伝える新聞記事同商議所の姫野清高会頭が19年のラグビーW杯日本大会などを視野に「大分の玄関口にふさわしい施設の整備を検討してほしい」と申し入れたという。これに対し、佐藤市長が土地取得も排除せず検討したいと答えた、と記事にあった。そして、(6月)27日の定例記者会見で改めて取得に意欲を見せたというわけだ-。

 続いて、7月21日付大分合同新聞朝刊などに、大分市がこの土地の売却先を決める競争入札に参加する方針を固めたとの記事が出た。記事によると、そのために8月上旬に臨時市議会を招集し、関連費用を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案を提案する方向で調整中だという。

 大分市の事情はよく分からないが、もともと大分都心に新たな公園が必要との市民の合意があったのならば、こんなにとんとん拍子で進むのも分からなくはない。

 だが、そうでないなら性急すぎる。なぜ、JR大分駅前に新たな公園が必要なのか。大分駅北口の前はバスターミナルになっている本当にこの土地を買うことが市にとって必要不可欠で、市民にとっても最も良い選択なのか。佐藤樹一郎市長はラグビーワールドカップ(W杯)での活用を想定し、「憩いの広場」を整備する考えを示したそうだ。多額の税金を投入するのにそれだけでは根拠薄弱だと思うのだが、「ラグビーW杯のため」といえば多くの大分市民は納得するということだろうか。

 大分市が取得を検討する「パルコ跡地」はJR大分駅の北側にある。こちらは駅前がバスターミナルになっている。ここから見る限り、公園のようなものは見えない。

 では、反対側の南口はどうか。区画整理でできたいこいの道広場鮮やかな緑があった。「大分いこいの道」広場とある。大分駅の南側では駅の高架化に合わせて土地区画整理事業が行われたそうだ。結果、緑豊かな広場ができた。

 長さはどれくらいだろう。400mくらいはあるだろうか。広場の横には「ホルトホール」という市の施設があり、駅側からいこいの道を撮影芝生の広場では催しもよく開かれている。りっぱな都心の公園があるではないか。これだけでは不十分だということか。何か差し障り、問題でも起きているのか。駅の南側だけでなく、北側にも公園がほしい。そういうことだろうか。

 北側にも公園がないわけではない。大分駅の北口を出て左側に進めば中央町、右に進めば府内町となる。イベント開催中の若草公園中央町のアーケード街から左に折れて少し行くと若草公園がある。行ってみると、「ドイツビールの祭典 おおいたオクトーバーフェスト2017」の看板があり、23日まで開催中とあった。この公園は大きくはないのだが、ちょっとしたステージもあって結構催しも多いようだ。

 オクトーバーフェストにならって大型テントの下にテーブルがびっしりとW杯期間中は公園内にテーブルと椅子を置いて、飲み物などを提供してもいいのではないか。中央町の若草公園を見た後でメインストリートを挟んで反対側の府内町へと足を運んだ。ここにも小さな公園があった。「ふないアクアパーク」。公園の中央に水路と池があり、その周りにベンチが配置されている。こちらはイベントなどには使いにくいかもしれない。

 確かに駅の北側には南側のような緑が豊な大きな広場はなかった。府内城址公園は大分駅から約1㌔しかし、もう一歩足を進めてみると大きな城址公園があった。府内城址(大分城址公園)はJR大分駅から約1kmの距離にある。駅から商店街などを通って城址公園までぶらぶら歩こうと思えば歩ける距離である。

 今、城内はどうなっているか。城内は主に臨時駐車場として使用大分市役所の臨時駐車場になっている。その奥では埋蔵物の発掘調査が行われている。案内板を見ると、府内城の本丸、東之丸、内々堀の状況を確認するための調査とあった。調査後に臨時駐車場として使われている部分も含めて大規模に活用する計画があるのだろうか。

 こちらの方がパルコ跡地よりも広そうだ。活用計画があるのなら、それを先延ばしして、19年のラグビーW杯のための憩いの広場をここに仮設で設けてはどうか。大分県や大分市が府内城址の活用を計画しているとすれば、それも検討の余地があるだろう。新たな公園整備のための用地取得をするか否かは、こうした選択肢も検討したうえで決めるべきだろう。

 パルコ跡地を購入するとして一体いくらかかるのか。府内町にあった小さな公園今春の地価公示をみると、大分市の商業地で一番高かったのは「中央町1-3-23」の1㎡49万1000円。大分駅から400m離れた4階建てのビルで、地積355㎡とある。パルコ跡地は駅の真ん前でしかも面積約4300㎡で更地である。49万1000円は超えるだろう。

 1㎡50万円とすれば約21億5000万円。確実に落札するためにはもう少し高い価格を考えておく方がいい。1㎡60万円なら約25億8000万円。入札者間の駆け引きがあるだろう。もっと高くなるかもしれない。大分市がそこまでしても購入しなければならない理由をしっかり説明する必要がある。それが当然のことだと思う。

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