気になる会議の欠席率

臼杵庁舎玄関に会議の案内板が 「みんなで創ろう!新臼杵庁舎を考える市民会議」の初会合が30日、臼杵市役所臼杵庁舎の会議室で開かれた。南海トラフ巨大地震が起きたときに現在の臼杵庁舎で大丈夫か、司令塔としての機能が果たせるのか。今年1月の市長選でも議論になった。これまで結論が出せなかった市庁舎の建て替え、移転問題に決着をつけようと、市が設置したのが市民会議である。市民の代表48人が来年2月まで8回の会合を積み重ねて意見を集約する。ただ、初会合に欠席したメンバーが12人。欠席率の高さがちょっと気になった。

 新庁舎を考える市民の会議については5月10日付佐伯支局長日誌「津久見の市庁舎検討委」で紹介した。その日誌では

 「いったんは先送りされた臼杵市庁舎の建て替え問題も7月に市民約50人による会義ができて、議論が再開される。市役所内部の会議、専門家による検討、市内の学識経験者を集めた市民委員会といった津久見市の手法はオーソドックスなものといえる。これに対し、広く市民を集めた会議でオープンに検討を進めようという臼杵市は少し変わっている。市庁舎問題の行方で両市の違いを報告する機会もまたあると思う」-と書いた。

 まずが臼杵市ではどうやって約50人の会議のメンバーを決めたのかを説明しよう。グループに分かれて話し合うメンバー50人のうち15人は公募することにした。残る35人は無作為に抽出した市民1000人に参加の意思を打診し、その中で参加を希望した人になってもらうことにした。さまざまな見方、意見が出るように参加者はできれば年齢、性別などの偏りがない方がいい。しかし、無作為抽出では50才未満の希望者が少なかったようだ。

 結果、公募17人、無作為抽出31人のメンバーが決まった。年代別に見ると、10代は1人、20代6人、30代4人、40代は3人にとどまる。これに対し、50代10人、60代12人、70代10人、80代2人と年配層は計34人を数える。

 男女別でも男性34人に対し女性が14人と差が大きい。これは公募が男性15人に対し女性が2人しかなかったためだ。公募した男性のうち60代が60人と最も多く、次いで70代の3人だった。

 こうしたメンバー構成が今後の議論にどう影響してくるのか。あるいは影響しないのか。注目点の一つだろう。

 さて、この会議を進行していくために臼杵市が助っ人としてお願いしたのが愛知県常滑市の山田朝夫副市長である。異色のキャリア官僚だそうだ。山田さんは東大卒業後、自治省(現総務省)に入省し、大分県などにも出向した。大分県では公害規制課長、財政課長を務めたと、臼杵市からもらった資料にある。

 山田さんの転機は1997(平成9)年、大分県久住町にキャリア官僚としてではなく、一般職として勤務したことだという。霞が関を捨てたキャリア官僚は以後、腕一本で町や市を渡り歩く行政の職人「流しの公務員」になったそうだ。

 資料には、山田さんが仕切る会議はショーのように面白く、議論は白熱するとも書いてあるから、臼杵市の市民会議を進めていく山田さんの腕前も見ものの一つとなりそうだ。

 議題となる臼杵庁舎問題についても一言説明しておく必要があるだろう。旧臼杵市と旧野津町が合併した現在の臼杵市には臼杵庁舎と野津庁舎の二つの市庁舎がある。

 今回の議論の中心は1974(昭和49)年に建設された臼杵庁舎の建て替え、移転問題である。2011(平成23)年3月に起きた東日本大震災は人々に衝撃を与えた。甚大な被害を見て思った。南海トラフ巨大地震に対する備えはどうかと。海辺にある臼杵庁舎は大地震に耐えられるのか、大津波に庁舎が飲まれるのではないか-そんな不安、心配が大きくなった。

 臼杵市は小中学校の校舎の耐震化を優先することにし、その後、14(同26)年9月の市議会で、市長が庁舎問題について検討開始することを表明した。同10月に専門家による検討委員会を設けた。さらに翌年1月に市民委員会も設置して専門家による報告を基に検討。両委員会は同3月に意見を出した。

 両委員会とは別に臼杵市議会も委員会を設け、同7月に提言を出した。専門家委は「現庁舎地」と「臼杵公園(臼杵城址)を最終的な候補地とし、市民委は「臼杵公園(臼杵城址)」と「臼杵商業高校跡地」を候補に挙げた。議会は「現庁舎地」と「江無田公有地」を候補地として提案した。

 「まちづくり」「防災」「財政」。そのどれに最も重きを置くかで最有力候補地が異なる結果となった。いずれも「帯に短したすきに長し」というわけで結論は先送りになった。

 仕切り直しの市民会議で果たしてどんな結論がでるか。あるいは意見集約できずに複数案併記とでもなるか。初会合を見ただけではまだ予測はつかない。

 

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