堅田川の氾濫に備える

落成式が行われた「堅田ひなん棟」 障がい者支援施設「清流の郷」の「堅田ひなん棟」落成式の案内をいただいた。3日に竣工式、餅まきに続いて落成式が行われる。案内には、河川氾濫に備えて全国に先駆けて建設したとある。津波避難のための国や地方自治体の支援はあるが、河川の氾濫に備えた避難棟の整備には支援がない。だから自分たちの力で建てて、万が一の時は地域にも開放するという。完成した避難棟を見学させてもらった。

 清流の郷は堅田川沿いにある。昨年9月に佐伯市内に大雨をもたらした台風16号ではその堅田川が氾濫水位にまで達し、一時は避難を迫られるところまでになった。

 清流の郷の入所者50人。重度で寝たきりの人も多いという。50人の職員とともに避難するといっても容易ではない。それでもいざというときは避難できる体制をとっておかなければならない。

 そこで清流の郷を運営する社会福祉法人わかば会は昨年9月23日、近くの高台にある自動車部品製造会社「大分部品」と災害時に避難場所を確保するための協定を結んだ。

 施設側が大雨などで災害の危険が迫っていると判断すると、大分部品に支援を要請。同社は敷地内の施設や駐車場を入所者の一時避難場所として提供する。

 昨年8月末の台風10号に伴う豪雨で岩手県岩泉町の高齢者グループホームで入所者9人が死亡したことを教訓に、万が一の事態に備えようとわかば会側が協力を打診した。

 大災害に備えた避難場所を確保したとはいえ、現実にそこまで避難できるか。佐伯市から緊急避難所として指定を受けたそう考えた末の結論が清流の郷の施設横に新たな避難棟を建設することだった。そのために昨秋、わかば会の理事や評議員などが高知県を訪れ、大津波に備えた避難棟を見学したという。そして、増水し、氾濫した水と流木などが押し寄せてきても倒れない施設をつくることにした。

 建物は鉄骨2階建て。入所者や職員、周辺の住民が避難するのは2階と屋上になる。がらんとした避難棟の1階スペース1階はコンクリートの打ちっ放しでがらんとしている。おそらく普段は保管倉庫か何かに使うのだろう。フローリングが施されている2階とは対照的だ。2階は高さ4mで広さ240平方㍍。トイレと調理室が付いており、収容人員は約220人という。

 屋上も広さ240平方㍍で収容人員も同じく約220人。屋上には非常用発電機と給水タンクがある広い屋上の一角には非常用発電機と給水タンクが据え付けてある。落成式ではこの非常用発電機を使って電気を供給してみせた。本格的な台風シーズン前に完成させようと今年4月から工事に入ったという。建物の総工費は9500万円との説明を受けた。

 これは全て自己負担で整備した。そうなった経緯が落成式の会場でもらった資料に書いてあった。国や大分県に問い合わせし、支援について調査検討してもらったが、地震による津波対策は整備されているものの、河川の氾濫などの自然災害に該当する支援策は整ってなかった。支援策がないから自分たちで造るしかなかったというわけだ。

 落成式では周辺地域の代表に避難棟の鍵が渡された。避難所の屋上は高さ8㍍周年住民の避難施設として気軽に使ってほしいとの意思表示である。屋上の道路側のひときわ目立つところに赤色灯が付けられていた。これが点滅していれば受け入れ態勢が整っているということのようだ。備えあれば憂いなし。ただ、使わないにこしたことはない。落成式で挨拶した来賓は口をそろえた。

 

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