被害なしとはいかない

台風一過の晴れ間とはならず 7日朝、佐伯市防災危機管理課に電話して、台風5号に伴う被害の有無を確認。浸水被害や土砂災害の連絡は入っていないとの話だったので、佐伯市内を少しクルマで回ってみることにした。左の写真は7日午前7時半過ぎに撮影した。同じ構図の写真を台風3号通過後の7月5日にも撮っている。それが右の台風3号通過後の佐伯市内の一コマ写真である。駆け足で通り過ぎていった台風とのろのろ台風との違いだろうか。右の写真に比べ左は台風一過の晴れ晴れしさがなく、空も空気もどんよりしている。それでも被害がなくて良かった。そう思って午前10時過ぎに念のため防災危機管理課に電話すると、落石による民家の破損が1件あったという。被害ゼロを願ってもなかなか難しい。

 落石は6日深夜にあったようだ。場所は佐伯市本匠井之上。幸いけが人はなかったという。

 佐伯市には6日午前2時40分、大分県が土砂災害警戒情報を出した。大雨による土砂災害の危険性が高まったとのことで佐伯市は避難準備・高齢者等避難開始を呼びかけた。

 実際、台風5号接近前から断続的に雨が降り続いていた。蒲江港に係留された漁船では、どれだけの雨が降ったのか。7日午前5時50分現在の24時間雨量は佐伯が77.5㍉、佐伯・宇目124.5㍉、佐伯・蒲江120.5㍉、臼杵50.5㍉となっている。さらに、48時間雨量では佐伯86.5㍉、佐伯・宇目212.5㍉、佐伯・蒲江140.0㍉、臼杵64.5㍉と特に宇目で大雨となった。

 今回は海岸部よりも山間部の宇目や本匠、直川で土砂災害などが起こりやすい状況だったといえる。このため、佐伯市では6日夕、宇目の木浦鉱山区と落水地区の50世帯74人に避難勧告を出した。

 7月の台風3号、今回の台風5号と立て続けに暴風雨に見舞われたが、大きな被害は発生しなかった。これは佐伯市の防災力が高いことの証明ではない。

 昨年9月の台風16号もそうだったが、フェリー欠航を告げる張り紙「あと1時間豪雨が続けば」「台風の進路や速度が少し違えば」、その被害の状況も異なった可能性が十分にある。

 今回、窓をたたく風が突然弱くなったと感じたのは7日午前3時半前だった。外を見ると横なぐりの雨が降り続いているが、嵐は峠を越えたなとその時思った。そして、大分県は大雨が弱まったとして同日午前4時45分に土砂災害への警戒を解いた。

 だが、これが、さらに1時間、2時間と続いていたらどうだったろう。昨年9月の台風16号の時はかなり危なかったといえる(2016年9月21日付佐伯支局長日誌「同じルートを二回往復」)。台風16号に伴う豪雨で蒲江地域の24時間の雨量は403.5㍉に達した。蒲江では家屋の浸水被害が相次ぎ、市内の各地が水浸しになった。あと1時間大雨が続いていれば被害はもっと大きくなったのではないか。

 佐伯市では6月に発生した震度5強の地震、7月の台風3号、8月の台風5号と大きな自然災害が相次いでいる。波当津海岸にはサーファーが1人いた幸いなことに、ここまで大きな被害が出ていない。だからといって先行きを楽観するのも危険そうだ。一方、過敏になるのもどうか。いつもいつも「最悪」を想定して、避難勧告、避難指示などが頻繁に出ることになれば、むしろ、それで住民は疲れてしまいそうだ。

 「50年に1度の大雨」がこれほど日常的に言われるようになると、東日本大震災を教訓にした高台移転ではないが、何か抜本的な対策を考える必要があるのではないか。国や地方を問わず、いろんな意見、アイデアが出てきて議論がなされていいのではないかと思う。

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