本社を誘致するために

府内町・大手町を紹介する案内板 「今日は休みます」と一言書いて終わろうと思ってパソコンの前に座ると、休みますだけでは能がない気がしてきた。そこで8月8日付佐伯支局長日誌「大分市議会の議案質疑」の続きを書くことにした。8日の日誌では大分市は大手企業の本社誘致活動をしてないのだろうかと書いて終わったが、府内町・大手町エリアには大きなビルは少ない調べてみると誘致のための市の制度があった。では、移転してくる本社の受け皿はどこにあるか。JR大分駅北側の府内町・大手町は場所的に良さそうだが、いかんせん新しくて大きなビルが見当たらない。その他にもオフィス街といった感じの場所はなさそうなのだ。

 大分市のホームページを開き、「企業」「本社」「誘致」などと打ち込んでみると、2016(平成28)年9月29日の市長会見の資料が出てきた。そこに「企業の本社機能誘致に向けた施策を拡充しました~大分市本社機能移転促進事業補助金の創設」とある。

 会見で市長は「これは9月の市議会に予算を計上しまして、市議会で認めていただきましたものを早速実行に移したいということです。本社機能ということで、本社そのもの以外に、研究開発部門や国際部門、研究所を本社機能と呼ぶんですけれども、こういうものが大分に移転してきたり、また、大分で拡充していただいた場合に支援措置を講じるということです」と説明している。

 本社そのものを大分に移してもらう。これは現実的ではない。その一部でも持って来れればというのが市の本音だろう。

 これもホームページで年度別の企業立地件数の表を見つけた。大分市の企業誘致件数の推移これをみると、16年度は大幅増(見込み)となっていた。この中に「本社機能」の誘致も含まれているだろうか。含まれているとすればどのくらいだろうか。ただ、「本社移転」のイメージからすれば、いかにも小ぶりな感じは否めない。何度も書いてきたように大規模な移転を促すような受け皿が大分都心にないのも問題なのだ。

 7月23日付佐伯支局長日誌「大分都心の公園事情は」で紹介したJR大分駅北側の写真を改めて掲載したい。視界を遮る高層ビルもない駅前広場があってゆったりしており、高層ビルに視界を遮られることもない。逆に言えば都心用地の高度利用が進んでいないということが一目で分かる。駅前から少し右手に歩いて行くと府内町・大手町エリアになる。ここは江戸時代は「経済の中心地だった」と書かれた案内板を見つけた。

 それによると「本エリアは城下町の南~東地点にあたり、商人や職人、武士が居住する15の町がありました」とあり、その中でも「今の府内町1・2丁目にあった上市町、檜物町、下市町は旧府内町では市町筋とされ、経済活動が活発な地域でした」との説明が書かれていた。しかし、今はどうだろう。現在の感覚で言えば商業・ビジネスの中心地といった印象は受けない。

 大分都心の最大の問題は、低層で小規模なビルが目につくかつての商業の中心地をどうやって現代のビジネス拠点として生き返らせるのかである。

 「大分市都市計画マスタープラン」も都心の再構築を掲げる。ただ、その書きぶりは「JR 大分駅北地区は、緑化の推進や建物などによる美しい景観形成を図り、魅力と風格のある駅北・商業業務都心の形成を目指します」などと抽象的である。自分たちが抱える課題をもっと率直に語った方がいいのではないか。

 佐伯市から大分市への人の流れがある。大分市は県内各地から人を集めることで、その活力をしばらくは維持できるかもしれない。しかし、県全体としてみれば縮小が止まらない。

 その流れを食い止めるには外からヒト、モノ、カネを取り込んでいく必要がある。大分市は県内から吸い取るばかりでなく、もっと積極的に本社誘致など県外から取り込んでくる気概を見せてもらいたい。県南の佐伯市から見ると長兄格の大分市に対してそんなことを言いたくなる。

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