網代島の観察会に同行

網代島の全景 津久見市立第一中学校の2年生の授業に同行して24日、厳しい日差しの中を網代島に行った。この日のテーマは「津久見の大地の成り立ちを知ろう」。網代島では約2億5千年前の地層などを見ることができる。国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)から特別講師を招き、学校での授業と現地観察会を行った。中2生には少し難しかったのかもしれない。実はこの授業はとても野心的なプログラムの一環だそうだ。「『色』をテーマとしたアートと言葉の教科融合型学習の開発」。それって一体何だろう。

 この日は「理科」と「美術」と「総合」の連携授業との説明だった。網代島に渡る生徒たち津久見の自然や地質を知ることは「理科」であり、地層などの色や形を見てスケッチすることは「美術」になる。講師の話を聞いて「色んな疑問を感じて自分なりに考えてみる」ことが「総合」学習だそうだ。

 それにもう一つ目的が加わっている。ふるさとを知り、ふるさとに愛着を持つ津久見市の「ふるさと教育」の一環でもある。何だか大変そうである。

 津久見市教委が公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団(大分市)と大分大学の支援を受けて行っているようだ。教科融合型学習の開発に主に取り組んでいるのは大分大の先生で、同財団も幅広く協力。この日の講師は財団が招いた。ところで、なぜJAMSTECなのか。

 JAMSTECといえば深海探査。24日は「日本放送協会(NHK)と共同で、フルデプスミニランダーに搭載した4Kカメラにより、マリアナ海溝の水深8,178mで遊泳する魚類(マリアナスネイルフィッシュ(注1)と思われるシンカイクサウオの仲間)の映像を撮影することに成功した」と発表した。魚類の世界最深映像記録を更新というわけだ。

 JAMSTECから講師を招いたのは「日本列島は深海で造られる」からであり、津久見の地層は海でできたからである。地球の表面には多くのプレートがあり、それが少しずつ動いている。プレートがぶつかり合うところで一方が盛り上がっていき、海の上に顔を出す-。正確に説明を繰り返すことはできないが、そんなふうな話だった。

 網代島にあるチャートといわれる地層は地層を観察する生徒たち深度5000m以上の深海で造られた。まずは学校の授業でそれができていく仕組みを学んだ。放散虫というガラス質の体を持つプランクトンがいる。一方、炭酸カルシウムを骨格にする有孔虫がいる。

 どちらも生きている時は海中に漂っているが、死ぬと海底へと沈んでいく。有孔虫のカルシウムは深海5000m程度で溶けるが、放散虫のガラス質はそのまま沈んで堆積する。これがチャートという地層を造る。そんな話を聞いて現地で観察した。そして、みんなでスケッチをした。

 教科融合型学習の土台になるものが、2016(平成28)年度に大分県立美術館と連携して行った「スクールミュージアム」「ザ・ピグメント」だそうだ。それを進めて、感じたものを言葉で伝えるという美術と国語の融合、さらにサイエンス(理科)との融合型学習の開発を行う。

 具体的には「ミニ美術館」を6月15日に行い、網代島の地層を見る次のステップとしてこの日の「サイエンスレクチャー(網代島で岩石採集・観察)」が開かれた。その後、採集した岩石を細かく砕いて津久見の色、自分の色を作り、それを漬かって作品を描く「アートワークショップ(地域の鉱物から色を作る)」を行う。

 そして、11月24日に「移動美術館」を中学校体育館で開催する。昨年のスクールミュージアムなどとの違いは、中2生が美術館スタッフとなって、絵画の紹介や見方、感じ方を伝えることに挑戦するという。ほかにもいろいろと取り組みがあるようで、盛りだくさんで大変そうだ。

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